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カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン:交響曲第5番&第6番、レオノーレ序曲第3番(77年ライヴ)

ディスク
Karl Bohm ,
Wiener Philharmoniker

Beethoven : Symphonien Nr. 5 & 6 , Ouverture ''Leonore'' Nr. 3
(1977 Tokyo Live))

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1977年3月2日 NHKホール・ライヴ
国内盤 ALTUS
SACD非圧縮シングルレイヤー

普通のプラケースにブックレット

ブックレットには、宇野功芳のライナー「ベーム/ウィーン・フィル、極上の〈田園〉」。カール・ベーム来日コンサート日程表。曲目解説。

カール・ベームとウィーン・フィル、懐かしの来日ライヴSACD化

 本作はカール・ベームとウィーン・フィルの1977年来日公演を収録したSACDです。
 70年代、ベーム、ウィーン・フィル、NHK。
 こう並べば、NHK-FMのエアチェックを誰もが思い浮かべるでしょう。僕もベームのライヴ演奏はエアチェクしました。今も思い出す、曲目を書いたカセット・ラベル…。

 ということで、このSACDは、もちろんNHKによる音源です。
 収録されているのは、1977年3月2日の公演。会場はNHKホール。 SACDには当夜のプログラムどおり、ベートーヴェンの交響曲第6番〈田園〉、第5番〈運命〉。そしてアンコール「レオーノーレ序曲第3番」を1枚に収録しています(初出CDは2枚組)。

〈運命〉も悪くないけど、〈田園〉がやはり輝く

 この日の〈田園〉の演奏は、クラシック・ファンには伝説的となっております。

 ワルターの〈田園〉が芳香タップリの「一発必殺」の演奏としたら、ベームのこの〈田園〉は「無心に染み入る」演奏と言いましょうか。
 純粋音楽として心に響きわたり、ときに〈田園〉であることを忘れてしまいかけそうな瞬間があったほどです。
 これがライヴであることに、あらためて感心してしまいます。

 続く〈運命〉は、当時らしい重厚な演奏。
 解説では〈田園〉にくらべると落ちるように書いていますが、別に悪くない演奏と思いました。
 それよりも僕には、この2曲を並べられると、〈田園〉と〈運命〉のベートーヴェンによる作曲の差のほうが大きく感じられ、いろいろ考えてしまいます(「運命」は名曲だけど、いいのか、もたついているのか。〈運命〉の後半の演奏は難しいなあ…、モンモン)。

 だた、何度もこのSACDを聴くと、やはり〈田園〉の演奏が段違いに輝いている、ということは実感します。
 カール・ベームのファンで、グラモフォンのスタジオ録音の〈田園〉より、こちらを好む方がいるのも分かります。

SACDの音

 1977年録音ということで、同じALTUSレーベルのチェリビダッケの来日ライヴSACDとは音場の性格がちがいます。

 マイクが進歩した、80年代、90年代のチェリビダッケのSACDは透明な音で、薄めな音ながら、広がり感がありましたが、このSACDは逆で、広がり感(音の押し出し)は弱いのですが、その分、重厚な再生音となります。アナログ的な音です。

 SACDでは、その重厚な音の「繊細さ」に満足すると思います。
 また広がり感(音の押し出し)が弱いのは、ボリュームを上げることで、かなりおぎなうことができました。音圧がないので、普通のSACDよりも、かなりボリュームを上げることができます。

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そのほかのカール・ベーム、来日ライヴSACD
B00BBQ7492 ベートーヴェン : 交響曲第2番 | 交響曲第7番 (Beethoven : Symphonien Nr. 2 , Nr. 7 / Karl Bohm , Wiener Philharmoniker (1980 Tokyo Live)) [SACD シングルレイヤー]
1980年10月6日 昭和女子大学 人見記念講堂ライヴ。
2014.2.11