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プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器)
アントニオ・ロゼッティ:ボヘミアから来た古典派時代の寵児(交響曲・協奏曲集)

ディスク
Antonio Rosetti
Bohemian Mutineer
Pratum Integrum Orchestra


録音2005年、モスクワ舞台芸術学校、馬術訓練ホール
輸入盤、Caro Mitis

Amazon ¥2,077

角の丸いプラケースにブックレット。英語とロシア語の解説。メンバーの全体写真。

ピクチャーレーベルで、こちらも、ブックレットのような銅版画があしらわれています。

収録曲
1 交響曲二長調Murray A21
2 ホルン協奏曲Murray C38
3 ヴァイオリン協奏曲MurrayC9
4 交響曲ト単調Murray A42
(1〜3は世界初録音)

ロシアのレーベルから、若手アーティトによる演奏

 本作はロシアのレーベル、カロ・ミティス(Caro mitis)からのリリース。高音質が評判です。
 これは18世紀の作曲家アントニオ・ロゼッティの交響曲とホルン協奏曲、ヴァイオリン協奏曲を収録したSACDです。
 演奏はロシアの若手オケ、プラトゥム・インテグルム・オーケストラ。古楽器による演奏で、編成も小さく、室内楽にちかい趣きです。
 メンバーは外見が学生のような若さですが、音はあのエンシェント室内管弦楽団とまったく同じレベル。古楽器の、いい響きしてます。

ロセッティ、モーツァルトと同時代の音

 ロセッティという名前はイタリア風ですが、本名ではありません。出身はボヘミア(チェコ東部)で、本拠地ドイツからヨーロッパに名声を広げるのですが、なぜかイタリア名を名乗っているのでした。
 ロゼッティが生きたのは1750年頃〜1792年で、ほとんどモーツァルトと同じ時期です。
 ですのでモーツァルト(およびハイドン)に、かなり似た音楽。同時代性というものでしょう。ここに収められた曲を、「モーツァルトの新発見」と言っても、信じてしまうのではないでしょうか。

ナチュラル・ホルンで聴く、ホルン協奏曲の面白み

 しかしロゼッティの名誉のために言えば、似ているだけではなく、心に響くフレーズは沢山出てきます。SACDタイトルには、原語にMutineer(反逆者-寵児)とありますが、やはり古典派の立派な作曲家だと思います。
 特にホルン協奏曲。本SACDでは、ソロをナチュラル・ホルン(古楽器)で演奏します、これが最大の聴き所でしょう。
 ナチュラル・ホルンは、ある意味“荒馬”のようで、闊達な音色が聴いていて本当に楽しい。
 もうひとつ、ヴァイオリン協奏曲も聴いていて心に響きます。そういえば、どちらもニ短調で、モーツァルト風な哀しみのパッセージが。
 もちろん交響曲2曲も十分なクオリティでした。

SACDの音

 SACD2chでは、繊細で金属的な古楽器の音が、豊かに響きます。残響を含んだ音は、本当にやわらかいです。
 マルチチャンネルでは、残業が空間いっぱいに広がり、立体的な音。
 このマルチは、左右後方だけでなく、前方にも奥行き感があらわれるので、2chよりも、オーケストラと自然な距離感が出ます。
 自然で心地よいサラウンド空間で、古楽器オケの響きや、ナチュラル・ホルン、古楽器ヴァイオリンの音を堪能できます。

Amazon ¥2,077

2011.9.28