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リチャード・エガー(指揮、オルガン、チェンバロ)&エンシェント室内管弦楽団
オルガン協奏曲集作品7、〈カッコウとナイチンゲール〉他

ディスク
Handel :Organ Concerts Op.7
Academy of Ancient Music
Richard Egarr

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録音 St. Jude's-on-the-hill,London、 Doopsgezinde Kerk , Holland
2006年、2007年
輸入盤、Harmonia mundi USA
SACDハイブリッド2枚組

三つ折りのデジパックにSACDを2枚収録。ブックレットにはリチャード・エガーのライナー「And He shall Regin」(英独仏)。ジャケットのようなカラー風景画写真が4点。AAMのメンバー表と写真。

DISC1
・オルガン協奏曲op.7-1
・オルガン協奏曲op.7-2
・オルガン協奏曲op.7-3
・オルガン協奏曲op.7-4

DISC2
・オルガン協奏曲op.7-5
・オルガン協奏曲op.7-6
・シャコンヌ HWV 485*
・フーガ HWV 264*
・シャコンヌ HWV 442*
・オルガン協奏曲〈カッコウとナイチンゲール〉
*はチェンバロ独奏曲

オルガン
Goetze & Gwynn (1998、based on the chamber organ of Richard Bridge and Thomas Parker) ~ヘンデル・ハウス・ミュージアムの特別許可により使用。
〈カッコウとナイチンゲール〉のみRobin Jennings ~4ストップの室内オルガン (2005)を使用。  

ヘンデル最後の出版作品、Op.7を中心にした、2枚組SACD

 ヘンデルには作曲家の死後整理されたHWV番号がありますが、それとは別に、出版された作品番号(Op.)を持つ協奏曲集があります。本作はその作品7オルガン協奏曲集です。

 ディスク1には、Op.7の最初の4曲、オルガン協奏曲No.1〜No.4(それぞれ4楽章か、5楽章)を収録。
 ディスク2には、Op.7のオルガン協奏曲No.5〜6と、テェンバロ独奏で2曲の「シャコンヌ」と「フーガ」、そしてオルガン協奏曲〈カッコウとナイチンゲール〉を収録。

懐かしの古楽オーケストラ、AAMをSACDで聴く

 演奏は懐かしや、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(以下AAM)。70年代末から80年代にかけて、大活躍した古楽オーケストラです。クリストファー・ホグウッドのもと、モーツァルトの交響曲全集で、商業的に成功した初の古楽器オーケストラでした。
 そのAAMのSACD、さすがにメンバーは変っているし、指揮もホグウッドからリチャード・エガー(独奏も含む)に変っていますが、音はあの頃のままでした。

即興演奏を取り入れたオルガンは、可愛らしい音色


オルガンGoetze & Gwynn(1998)。ストップを駆使して、色々な音をだす。詳しくはこちら

 オルガン協奏曲ということで、バッハのオルガン曲ような、終始、荘厳な響きを予想したのですが、この協奏曲では、雄大な音から可愛らしい音まで、いろいろな音を出します。
 また、即興演奏も多用されているようで、軽快な動きも、随所で伺われます。

 ディスク2では、チェンバロ独奏曲が3曲収録され気分転換。
 最後のオルガン協奏曲〈カッコウとナイチンゲール〉は聴衆ウケする曲です。
 実をいうと、タイトル曲をさしおいて、本SACDでは一番のお気に入りになりました。エガーもライナーで「この曲を演奏する時は、いつも楽しい」というようなことを書いています。

SACDの音

 アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの、相変わらず、シャンシャンと金属的な音は、昔のホグウッド指揮の『水上の音楽』のレコードを思い出しました。SACDではその金属的な音も、しなやかで繊細な感じがして心地良いです。
 オルガンは荘厳で分厚い和音から、透明で軽やかな音まで色々。

 サラウンドは、教会のような深い残響音ではなく、前方の音を豊かに広げる感じ。広々と澄み渡った音空間です。ちょっと高さは感じるかもしれません。

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エガー&AAMのヘンデル:オルガン協奏曲のSACD
B00103E124 ヘンデル:オルガン協奏曲 op.4
本レビューと同シリーズで,SACD1枚。収録曲は、作品4の第1番〜第6番。
2012.7.10