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ジャン=マルク・ルイサダ
舟歌&幻想ポロネーズ~ショパン名演集

ディスク


録音2007年11月軽井沢大賀ホール
国内盤、BMG JAPAN
SACDハイブリッド

Amazon ¥2,630

ブックレットにはライナー「ルイサダならではのオリジナリティあふれるショパンアルバム」と曲解説。

明るく繊細な音色で、思索的なショパン

 ジャン=マルク・ルイサダのショパン・アルバム。
 曲は遺作の「ノクターン第20番」から始まり、晩年の名作「ノクターン第16番」「舟歌 作品60」「幻想ポロネーズ」が収録され、最後は初期のエチュードとワルツでしめる構成。全9曲を収録。
 ルイサダのショパンは、いち音いち音、確かめながら進んでいくようで思索的な感じがしました。
 華麗というよりも濃厚なロマン派を思わせる味わい。1曲目から、内面的な音に触れ、耳が離せなくなりました。
 しかしピアノの音色は明るく、どこか中性的な、繊細なピアニズムなので、重たくならず、クリアな印象です。
 もちろん軽快なエチュード「黒鍵」ではとても軽やかな弾きっぷりで、こういうところも聴きどころです。

マルチチャンネルで聴く

 マルチチャンネルは、サブ・ウーファーを使用しない5.0chです。
 本作はできればマルチチャンネルで聴いてほしいところ。
 適度な広さの空間が、360度、綺麗にリスナーの周りにできあがります。残響音は透明ですから、無色の三次元的な空間を感じます。
 そこに鳴るピアノは、大変に心地よいです。
 ルイサダはペダリングで、音を厚くさせるところもありますが、その濁りというか倍音も、この空間では聴きもの。

 2chステレオ再生でも、綺麗な響きが前方にひろがりますが、その空間は、ちょうど自分の身体に届くあたりで終わる感じ。
 マルチチャンネルでは、その空間が手前で終わる事なく、まるで霧が忍び寄るように、自分の後方まで覆ってくれているイメージ。
 ピアノの音の立体感も素晴らしいので、マルチチャンネルはおススメです。

Amazon  ¥2,630

ルイサダのSACD
B0021MFCR6 ショパン:マズルカ集(全41曲)
SACD、2枚組。ルイサダのショパン最新録音第2弾は、ポーランド周辺各地方の民俗舞踊を昇華して作曲されたマズルカのうち、生前に出版された41曲を収録。吉田秀和氏に絶賛されたDG盤以来約20年ぶりの再録音。
2011.9.13