そいつポリーニいうんや。すごいやっちゃで
マウリツィオ・ポリーニ最初のSACDは『ショパン:ポロネーズ第1番~第7番』である。
実はこれ、わたしが初めて聴いたポリーニのレコードでもある。
ポリーニではショパンの『24の練習曲』やら、ベートーヴェン後期ソナタやら、有名どこがあるのに、わざわざ、このレコードを最初にSACD化するとはグラモフォンめ、わたし狙いの営業でしょうか。
買うしかない。
このレコードは大学生の時、クラシックマニアの友人がカセットに録音してくれたのだった(ただし「英雄ポロネーズ」と「軍隊ポロネーズ」だけ)。
演奏を聴いたときの衝撃は忘れられない。タッチやら、リズムやら、この切れはすごい!
「このショパンすごいよ。これは誰だい?!」
興奮したわたしは翌日、友人に訊ねたものである。
友人は得意顔であった。
「すごいやろ、そいつポリーニいうんや。すごいやっちゃで」
それがポリーニとの出会いであった。
その後アナログでこのレコードは聴いてきましが、今回SACDを買ったので、いさぎよくアナログは売ってしまいました。SACDがあればアナログはとりあえずいらないかな、と。
今SACDで聴いてみると、ゆったりした部分のポリーニもよく、決して機械的ではないし冷たくもない(当時は凄すぎてそう思われていた)。
ポリーニにはSACD化してほしいディスクがいくらでもある。ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカからの3楽章』やらベートーヴェンやら。特にシューマンの『交響的練習曲』はぜひSACD化してほしい。最新録音もSACD/CDハイブリッドで出してくんないかな。
マルチチャンネルは、前方2チャンネル中心で、後方へ薄くサラウンドをかけている、という感じのものです。どっちで聴いてもいいけどね。
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2004.12.9
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