ジョン・バット(指揮、オルガン)ダンディン・コンソート
J.S.バッハ:ヨハネ受難曲(典礼で演奏された受難曲の再現)(世界初録音) |
三つ折りデジパック。ブックレットには原語歌詞と英訳歌詞。ライナー、演奏家の白黒写真少々。 収録曲 SACD2 |
バッハの時代、ライプツィヒの「聖金曜日の晩課」で演奏された構成を復元本作は『マタイ受難曲』『ロ短調ミサ』で、画期的なSACDをリリースしているジョン・バット指揮・ダンディン・コンソートの『ヨハネ受難曲』です。 この『ヨハネ受難曲』の特徴は、1682年にライプツィヒの「聖金曜日の晩課」で演奏された構成を復元しているということです。 「ヨハネ受難曲」や「マタイ受難曲」は、当時の教会では、現代人がレコードで聴くように、一気に演奏されるわけではなく、前後、真ん中に、他のコラールやモテット、オルガン曲、説法などを挿入して演奏されたそうです。 このSACDはそれを復元しております。構成の詳細は左コラムを見てもらうとして、大雑把には次のとおり。 1 オープニングの祈祷(コラール、オルガン曲) 「ヨハネ受難曲」が始まるまえから、音とサラウンドに惚れてまうやないか 最初にバッハ作のコラールや、他の作によるモテット、オルガン曲が3曲演奏されます。 つづくパイプ・オルガンの厳かなソロも、荘厳な響きで、まるで教会にいるよう。 これなら聴ける、現場で演奏されているヨハネ受難曲 そのおごそかなオルガン曲が終わるや、オルガンの響きも消え切らないうちに、すかさず「ヨハネ受難曲」の1曲目が始まるのです。あのイエスの苦難を予感する、不吉な前奏曲。 「ヨハネ受難曲」第1部が終わったあと、コラールやオルガンがあらわれて、聴き手の気分を変えるところも、やはり効果的。 第2部が終わったあとも、コラールやオルガン曲がでてきます。 今まで「ヨハネ受難曲」は「マタイ受難曲」に比べて、聴き通すのにシンドイものがありましたが、このSACDのような構成なら、面白く聴けると思いました。当時、こういう演出で信者に聴かせた理由がわかる気がしました。 なお、当時は30分以上の「説法」のパートもありましたが、さすがに、それをSACDに入れるわけにはいかないのでしょう。その部分はLinnのサイトで無料ダウンロードできます。 合唱団、歌手、オルガン、オーケストラの響きでサラウンドの妙 聴いた感じ、「ヨハネ受難曲」での合唱は『マタイ受難曲』のSACDとおなじく「ワンパートひとり」に感じました。 バット指揮ダンディン・コンソートのSACD
2013.4.28
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