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フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」作品72(全2幕)

ディスク
Furtängler
Beethoven: Fidelio

(MONO)
録音1953年
国内盤 EMI Japan
SACDハイブリッド2枚組

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普通の厚いプラケースにブックレット。
ブックレットには満津岡信育氏のライナー「さらに音質向上! その真価が語り継がれるべき《フィデリオ》の名盤」と曲解説。
ドイツ語歌詞と日本語対訳。

フルトヴェングラーのオペラのSACDでは、一二を争う音の良さ

 本作はフルトヴェングラーが死の前年、1953年10月13日〜17日にかけて録音したベートーヴェンの歌劇『フィデリオ』全曲です。オーケストラはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。
 ただしレコードで通常入れられる台詞はなく、音楽だけが入っています。ストーリー上音楽が唐突な感じがする反面、退屈な台詞がないので聴きやすいともいえ、どっちもどっちです。

 さて、ここまでSACD化されたフルトヴェングラーのオペラ4タイトルを聴いてきました。
 音質が一番良いのは54年録音の『ワーグナー:〈ワルキューレ〉全曲』と思いました。でもこの『フィデリオ』も、それに匹敵するくらいの良い音でした。
 唯一、音の(エッジの)“まろやかさ”だけは、『ワルキューレ』に一歩譲るのですが、残響を含む豊かなオーケストラの響き、声楽の素晴らしさは『フィデリオ』も文句なしです。

声楽は60年代〜70年代録音のよう、オケの解像度もあるかと

 フルトヴェングラーのオペラのSACDは、どれも声楽でめざましい効果が感じられましたが、この『フィデリオ』では特にそれが感じられました。
 ソプラノからテノール、バスまで、艶のあるたくましい声で聴こえます。声楽に限っていえば、60年代末から70年代始めのオペラ録音を聴いている感じです。
 レオノーレを歌うマルタ・メードルの勇ましい声。ベートーヴェンを聴いているのに、こんな感想も変ですが、「彼女は、やっぱり一流のワーグナー歌手だ!」とうなずくことしきり。
 フロレスタンのヴォルフガング・ヴィントガッセンには、第2幕最初のアリアで驚きました。第2幕終曲のドン・フェルナンドのアルフレート・ベルは、53年録音とは思えない、神々しいバスを聴かせます。

ウィーン・フィルの音

 オーケストラの音も『ワルキューレ』よりは、“まろやかさ”で一歩譲るわけですが、「音が硬め」と視点を変えれば、解像度が上がっているわけで、弦楽器の輪郭など明瞭です。逆にティンパニは『ワルキューレ』以上にクッキリと鳴り響いていました。
 先に書いたようにオーケストラの音は、残響音も含まれている豊な音です。これがとても聴きやすい。
 ということで『フィデリオ』のSACDは、総合で『ワルキューレ』と争う一二の出来栄え。『トリスタンとイゾルデ』『ニーベルングの指環(全曲)』より上質です(『指環』はデッドでしたし、『トリスタンとイゾルデ』は、ややダンゴぎみ)。

 ライヴでこそ燃焼度のある演奏をするフルトヴェングラーですが、このSACDで、セッション録音の本作も、今まで以上に魅力がアップしたと思います。
 歌手たちの熱演、第2幕の「レオノーレ」序曲第3番などの演奏など、このSACDも貴重なフルトヴェングラーの『フィデリオ』だと思います。

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2012.4.6