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フルトヴェングラー指揮イタリア放送交響楽団
ワーグナー:ニーベルングの指環〈全曲〉

ディスク

WAGNER
DER RING DES NIBELUNGEN

FURTWÄNGLER
(MONO)
録音1953年10月〜11月
国内盤、EMI JAPAN
SACDハイブリッド 13枚組

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収録曲
・序夜『ラインの黄金』(2 DISK)
・第1夜『ワルキューレ』(3 DISK)
・第2夜『ジークフリート』(4 DISK)
・第3夜『神々の黄昏』(4 DISK)

ブックレット
360ページ。全曲のドイツ語歌詞と日本語対訳。他にあらすじ、ライナー、曲解説、演奏者解説。
『ラインの黄金』終演後、フルトヴェングラーと歌手が並んだ写真が1枚。当時の雰囲気が少しわかる。

掲載ライナー
・サイモン・ギブソン
「フルトヴェングラーの《指環》のSACD用リマスタリングを行って」

・マイク・アシュマン
「イタリア放送協会(RAI)の《ニーベルングの指環》全曲録音をめぐって」

・増田良介
「フルトヴェングラー自身が、その出来栄えに満足した《指環》の名演盤」

主なキャスト
マルタ・メードル(s)
ルードヴイヒ・ズートハウス(t)
ヨーゼフ・グラインドル(b)
ゴットロープ・フリック(b)
など

フルトヴェングラーが死の1年前に残した《指環》全曲のSACD化

 フルトヴェングラーの《ニーベルグの指環》全曲のSACDです。録音は1953年で、ラジオ放送用に録音されました。

 オーケストラはイタリア放送協会(RAI)所属の演奏家から、「フルトヴェングラーと《指環》を録音したい」と望む者が集められたスーパー・オーケストラ(ローマ交響楽団という表記がされるときもありますが、本ディスクはイタリア放送交響楽団と表記)。

 楽団員は、それまで《指環》を演奏したことがなく、フルトヴェングラーには白紙のキャンパスが与えられた新鮮さがあったそうです。
 一方、歌手はフルトヴェングラーが、慎重に選んでいった歌手をそろえました。マルタ・メードルやズート・ハウスなど大物が並びます。

BOXに収められた4つのプラケースとブックレット。プラケースの中にはブックレットはなし。ディスクは1番から13番まで通しナンバー

 録音は1回に楽劇の1幕を、カットなしで演奏(いくつかの幕は生放送)。ローマ放送協会の1500席の会場に観客を入れての、演奏会形式によるライヴ録音です。風邪の人、咳の出る人は入場不許可だったとか。

 フルトヴェングラーが全権を掌握したこの《指環》に、巨匠は大変満足だったと言うことです。放送終了後、著作権の関係でこの録音がレコードになったのは、録音から18年後の1971年でした。

SACDの音、声楽はいいです。

 第3夜『神々の黄昏』を聴いてみました。
 マスターテープは、1990年のリマスターCDとは別の、「もっと広域成分の豊かで、広がりのある、イタリア協会から送られた最初のセットのマスター」(サイモン・ギブソン)。

 再生音はモノラルながら伸びのある音です。音場は2つのスピーカー幅くらいに広がるので、こもった感じはしません。
 大音量で鳴らしても耳がいたくならない、アナログライクな音。CDでは味わえない音があります。《指環》の壮大さも堪能できました。

『神々の黄昏』の表紙

 個別にみると、歌手の声は問題なし。声楽は前面に出て、ナマナマしいです。
 これは同じフルトヴェングラーの『ワルキューレ』や『トリスタンとイゾルデ』SACDと同じくらい。声楽の録音は53年頃はバッチリだったのだと思い知らせれます。

オーケストラの音

 序幕、オーケストラの音は、歌手の後ろに、隠れ気味であります。
 でも、第1幕のハーゲンとグンターが歌う場面では、かなり声楽とタメをはって、オーケストラも鳴り響きます。
 推測ですが、一幕づつ録音日が違うので、日によって微妙にバランスが違うのかもしれません。『指環』全曲を聴いてみないと分かりませんが。

 オーケストラの音質は、音の良かったSACD『ワルキューレ』にはちょっと及ばないのは、仕方ないところ。
 しかし「この解像度ならいい!」と思う部分も、随所に沢山あります。「SACD化の恩恵」からみれば満点です。こんなにオーディオ的に楽しく、『指環』を聴いていられるのですから。

 演奏では、金管と木管のソロが、ときおり不安定で、またアッサリとしているので、「これがウィーン・フィルだったらナア」と思ったりしますが、それ以外は、オーケストラは初めての《指環》とは思えないほど、フルトヴェングラーの棒に操られているようです。
 フルトヴェングラー特有の“うねり”が随所で聴けます。「ジークフリートのラインへの旅」など、やっぱフルヴェンでした。

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