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マイルス・デイビス ダーク・メイガス

MILES DAVIS
Dark Magus: Live At Carnegie Hall

1974年3月、
カーネギーホールでのライヴ録音。
2枚組、輸入盤、COLUMBIA
SACD専用ディスク

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COLUMBIAの輸入盤のSACDの外箱はこんなパッケージのデザイン。なかのプラケースの写真はオリジナルジャケットがそのままが使われております。

ざっと聴いた印象ではDISK1の演奏がやはり好きです。DISK2は「これから勉強だぁー!」。

70年代、電化マイルスのSACD化

 マイルス・デイヴィスのCBS時代の作品は、かなりの作品がSACD化されているので、楽しんでおられる方も多いと思う。
「マイルスを聴くだけでも、SACDプレーヤーを買ってもいい」
 僕もそう思ったくらい、よく聴いています。

 さて、一般に70年代のエレクトリック化したマイルスの作品は敬遠されがちです。
 『オン・ザ・コーナー』『ジャック・ジョンソン』など市民権を得た作品もありますが(ともにSACD化されている)、ヘヴィー化、ポリ・リズム化が極限まで達した75年の『アガルタ』にいたるいくつかのアルバムは、僕も聴いたことないんですよねえ。
 しかし、輸入盤ではこの時期のアルバムもSACD化されています(なんたる勇気!)。『ダーク・メイガス』です。

エレクトリック・マイルスの到達点を目ざす、
1974年のライヴ演奏

『ダーク・メイガス』は74年、カーネギーホールでのライヴ。メンバーはこの1年後の来日演奏を収めた『アガルタ』『パンゲア』とだいたい一緒です(サックスがちがいますが)。
 『ダーク・メイガス』の演奏を聴くと、音、演奏ともほぼ『アガルタ』に近いのがわかります。
 マイルスのワウワウ・トランペットとシンプルなオルガン、レジー・ルーカスやピート・コージーのジミヘンばりのギター、アル・フォスターのシャンシャンなるシンバル…。
 曲構成もなんとなく似ていて、もう『アガルタ』の一歩手前(つまりマイルスが一時引退してしまう手前)に、近づいているのがすごくわかります。
 「なんだ、この演奏なら、もっと早くからこのアルバムを聴いておけばよかった」
 『アガルタ』が大好きな僕は、今まで『ダーク・メイガス』をジャケットで敬遠していたのを悔やみました。はい。『アガルタ』が好きな方は聴いて後悔ありませんヨ。

SACDでこのカオス的なサウンドが、聴きやすくなった

『アガルタ』とほぼ同じサウンド、と書きましたが、このバンドの音は、すごくヘヴィーで混沌としていますから、「キンキンした音では聴きたくないな」という条件がつきます。
 なので『アガルタ』はCDでは聴く気がしなかったので、ずっとアナログでした。
 さて同じ音をもつ『ダークメイガス』のSACDは、音が予想に反してやわらかいです。
 電気音は、分厚く、アナログ風の香りがしている。ヘヴィーなのに「甘くマイルドな音」と言ってしまいたくなるくらい。
 それだからか、音の洪水のイメージがあった、このバンドの音も、すごく整理されている印象を今回持ちました。2CHステレオのみの収録だが、音の伸びもいいです。

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この時期のマイルスでは、輸入盤でいくつかSACD化されております。

Big Fun
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2006.11.16