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マイルス・デイビス
ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン


MILES DAVIS
THE MAN WITH THE HORN


国内盤、ソニーミュージック
SACDシングルイヤー、SACD専用ディスク

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ソニーから発売された初期のSACD仕様。四角いデジパック。四つ折りのペラの解説書には、96年マスターサウンドCDのライナーをそのまま転載。

リマスタリング・エンジニアはMark Wilder。SACDマスタリングは鈴木浩二氏。輸入盤はなく国内盤だけのリリース。

沈黙からの復帰第1作、蘇ったマイルスの新しいジャズ

 マイルス・デイビスの1981年の作品。約6年ぶりにカムバックしたマイルスが、メンバーも新人を加えて発表したアルバムです。
 フロントのサックスにはビル・エヴァンス(あのピアニストと同姓同名で当時話題になりました)、ギターにマイク・スターン。リズム隊はベースに若きマーカス・ミラー、ドラムにアル・フォスターが支えます
 当時6年ぶりのアルバムとあってジャズ界の期待は大きかったですが、あまり評判がいいとは言えませんでした。
 でも僕はこのアルバム、好きですねえ。数多いマイルスのなかでも「聴いている回数」では5本の指に入ります。『カインド・オブ・ブルー』や『ビッチェズ・ブリュー』ほど革命的ではないけれど、80年代のマイルスを予見するポップスへの接近、そしてなにより「タイトなエレクトリック・ジャズ」が体現できる素敵なアルバムだと思っています。
「シャウト」のポップス性、「ファット・タイム」「アイーダ」のざっくりとした演奏。
 どちらかといえばロック好きの僕は、そんなところが気に入ってこのレコードを多く聴いたと思います。
 でもラストの「アーシュエラ」は4ビートのジャズですが、これもマイルスがやると、なんてカッコいいんだろう。

SACDは、抜けのいいアナログサウンド

 SACD専用ディスクです。そして2chのみの収録。
 分厚い音。とくにベースとバスドラは、こちらの、喉元にズシンズシンとくる厚みです。
 そしてアナログ再生のように、空間のヌケがいいのが、このSACDの魅力。
 音だけがファーと飛び出してきて、音以外の空気は透明なので見通しがいい。エレクトリック・ジャズでも、アコースティック・ジャズと同じように、それを感じます。
 CDの「クリアだけど硬い空間」で鳴るのとは、やっぱりちがいますねえ。耳に心地よい音です。

2010.8.3

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