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SACDhybrid ソニー・クラーク
クール・ストラッティン


Sonny Clark
Cool Struttin'

Amazon

Stereo/Multi-ch
録音1958年1月5日ニュージャージー
国内盤 ユニバーサル

オリジナルどおり4曲収録。

・クール・ストラッティン
・ブルー・マイナー
・シッピン・アット・ベルズ
・ディープ・ナイト

収録音源(ステレオ)
メニュー画面で選択

・リニアPCM 96kHz/24bit
・リニアPCM 192kHz/24bit

解説はペラの二つ折り

 

ジャケットのほうがおなじみの人気盤のBlu-ray Audio

 ジャズ・ファンにおなじみのソニー・クラーク『クール・ストラッティン』がBlu-ray Audioでリリースされました。

 本作は1958年録音。メンバーはピアノのソニー・クラークのほかには、トランペットのアート・ファーマー、サックスにジャッキー・マクリーン、ベースがポール・チェンバース、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズ。

 本作は本国アメリカよりも日本でのほうが人気が高かった、という話は良く聞きます。
 しかし日本人にしても、SACDラボのようにあとからビ・バップまたはモダン・ジャズを知った世代には、内容よりもジャケット写真からのイメージが圧倒的に強かった作品でした。


LPジャケットでなくても、飾り方でオシャレに。雑貨風に置くといいかも

聴けば聴くほど味がでる「自然体のジャズ」

 で実際に聴いてみると、確かにいいです。
 全体の雰囲気は、「ビ・バップの力み」もなければ、同時期のマイルスのような「ストイックなクールさ」もありません。かといってビル・エヴァンスのような余情的なところもない。

 あるのは「自然体のジャズ」という感じでしょうか。
 当時、これが日本のジャズ喫茶で頻繁にかけられたのも分かる気がします。自然体で疲れないから、「聴けば聴くほど味がでる」という感じなのです。

 とはいえ入門的なジャズともぜんぜん違います。そこがこの『クール・ストラッティン』の面白いところでしょう。
  実際SACDラボも、何を聴こうか迷った時、ビル・エヴァンスよりも、マイルスのマラソン・セッションよりも、この『クール・ストラッティン』を聴いてしまう確率は高い気がします。


左が二つ折りの簡単な日本語解説。ディスクはブルーノート・レーベルのピクチャ

メンバーの好プレイ、そのあとクラークのピアノに

 『クール・ストラッティン』が自然体なら、リーダーのソニー・クラークも自然体な気がします。
 実際のところソニー・クラークよりも、アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーン(左スピーカー)のプレイが味わい深いし、同時期のマイルスのリズム隊でもあるポール・チェンバースとフィーリー・ジョー・ジョーンズ(右スピーカー)の、リズム隊のほうが聴き応えがあるような気がします。

 で、ソニー・クラークは彼らの間で(中央あたり)、ちょっと地味なピアノをやっているイメージですが、それでも時折ソロで聴かせるべき時がくると聴かせます。

Blu-ray Audioの音

 アナログ・レコードを持っていないので、比べられませんが、Blu-ray Audioの音は、やはり繊細でまろやかだなあと思いました。音のエッジも柔らかい気がします。トランペットやサックスのハモリが綺麗。ドラムもどっしりした音像です。フィーリー・ジョー・ジョーンズのリム・ショットもカッ、カッ、ときます。

 それでもアナログ・マニアからすれば、“アナログ・レコード特有のコク”という秘伝のタレが薄いと思うかもしれません。しかし、Blu-ray Audioはこれはこれで、十分に『クール・ストラッティン』をいい音で聴ける手段になると思います。

 先にも書いたように、このBlu-ray Audioをかけて時を過ごすことは多そうです。ジャズの心を持って聴けば、アナログもBlu-ray Audioも同じように楽しめると思います。

B00XV9ELOS
クール・ストラッティン

2015.7.13