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SACDhybridビル・エヴァンス・トリオ
エクスプロレイションズ


Explorations
Bill Evans Trio
Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、Fantasy

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角の丸いプラケースにブックレット。

ブックレットは3つ折のペラ紙。英文で、オリジナル・アルバム掲載のOrrin Keepnews氏のライナー。1987年の同氏のライナー(ここでボーナス・トラックについて言及)。

収録時間 51分9秒

リバーサイドのビル・エヴァンス・トリオの、61年スタジオ録音

 本作はビル・エヴァンスが、リバーサイドに録音した、有名な4枚のアルバムのなかの1枚です。1961年2月のスタジオ録音。
 ライヴ盤『ワルツ・フォー・デビー』『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード』がその年の6月の録音、さらにスコット・ラファロの死が7月になります。

 ビル・エヴァンスのリバーサイド4部作の中では、この『エクスプロレイションズ』が一番「後回しにされるアルバム」と思いますが、これも素晴らしい作品です。
 もう1枚のスタジオ録音『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959年リリース)が有名なために、比較されるわけですが、本作にも「イスラエル」「エルザ」「ナーディス」といったビル・エヴァンスの定番、名曲が多いです。

 個人的には本作のほうが『ポートレイト・イン・ジャズ』よりも、3人のインタープレイ度は薄れ、その分エヴァンスのピアノが際立つ気がしました。印象派的なエレガンスなタッチから、粋なブロックコードまで、エヴァンスの演奏を堪能できます。
 もちろんスコット・ラファロは、おなじみの高いトーンでのベース・ソロを披露しますし、ポール・モチアンもラストの「スイート・アンド・ラブリー」で、派手なドラムソロをしてまとめます。

 ボーナス・トラック2曲入り

 SACDは2004年、Joe Tarantinoによるマスタリング。
 ボーナス・トラックを2曲収録。1曲は「ビューティフル・ラヴ」(take 1)で、なんとオリジナル・アルバム3曲目にある同曲(take 2)のあとに続けて収録されています。
 たぶん『ポートレイト・イン・ジャズ』の「枯葉」のステレオとモノの2曲連続収録にかけたものかもしれませんが、ちょっとくどい気がします。
 これは今回のSACDが初めてではなく、80年代あたりのCDでやられていたため、そのマスターを使用したせいと思われます(気になる方はユニバーサルのSHM-SACDが、ボーナス・トラックを最後にまとめていますのでそちらを)。
 もう1曲のボーナス「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」は、本編に含まれてもよいほど出来のよい演奏。こちらは本編のあとに入っています。

 ナチュラルなSACDの音

 SACDの音はナチュラルなもので、好感のもてるもの。
 エヴァンスのピアノは、派手な演出もなく自然に鳴り響きます。これ以上の高解像度は望みません、これで十分です。
 ブロック・コードはたっぷりした、厚みのある響き。スコット・ラファロのベースは、ときおり最低部の音で重量感がでます。

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ビル・エヴァンスのリバーサイト4部作SACD(輸入盤)
ビル・エヴァンス・トリオ/ポートレイト・イン・ジャズ
スコット・ラファロ生前のトリオでのスタジオ録音
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ビル・エヴァンス・トリオ/エクスプロレイションズ
これもリバーサイド時代の名作、61年のスタジオ録音
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ビル・エバンス・トリオ/ワルツ・フォー・デビー
スコット・ラファロのベースがブルンブルンうなる
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ビル・エヴァンス・トリオ/サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード
あらためて「スコット・ラファロ、凄し」と気づかせるSACD
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2012.4.17