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S
ボブ・ディラン
ラヴ・アンド・セフト


Bob Dylan
Love and Theft
Hybrid Stereo/Multi-ch
Sony Music

Amazon(輸入盤)
Amazon(国内盤)

二つ折りのデジパック仕様。

ブックレットには英語歌詞はなく、写真が8点とクレジット。

国内盤には、別冊子で菅野ヘッケル氏の日本語解説。曲目解説。97年から04年までの年表。各曲の日本語対訳がつく。ただし英語歌詞はなし。

ディランの良さを、「ポップに」堪能できるアルバム

 本作はボブ・ディラン通算43枚目のオリジナル・アルバム。2001年の作品です。SACD層はステレオとマルチチャンネルを収録しています。
 時に、とっつきにくいイメージのディラン。このアルバムの白黒ジャケットもそう。
 しかし、このアルバムは、明るくポップなメロディが多いです。おそらくディラン全作品のなかで、『血の轍』の次に、一般のポップス・ファン、ロック・ファンに親しみやすい作品なのではないでしょうか。

 1曲目「トゥイードル・ディー&トゥイードル・ダム」、なんかロック的にカッコいい。
 続く「ミシシッピー」は、『血の轍』の時期のような、メロディアスでコード進行がキラリと光るバラード。
 この2曲で「おっ、このディラン、イカす」と思うはず。

 つまりこのアルバムは、ブルースからロカベリー、カントリー、ジャズ風まで、いろいろなタイプの曲を聴かせます。
 「ムーン・ライト」にいたっては、甘くとろけるようなヴォーカル。かつて“フォークの神様”と言われたアーティストにしては、軟弱と思われるかもしれませんが、そこはやっぱりディラン。続く「オネスト・ウィズ・ユー」では、ライヴばえするハードロック路線に。

 どの曲でも、コード進行がカッコ良かったり、さりげないギターのフレーズがカッコ良かったり、そしてディランのヴォーカルがカッコ良いい。
 結局本作も、表層的なところではなく、芯からディランの良さを「ポップに」堪能できるアルバムと言えましょう。

ディランたちが演奏している部屋にいるかのようなサラウンド

 SACDの音は、とてもまろやか。バンドの音がとても柔らかいです。
 マルチチャンネルのバンド音は、全方向というより前方180度に広がる感じ(ときおり、リアスピーカーに楽器音が配置されていますが)。
 空間は無限に広がる距離感ではなく、ディランたちが演奏している部屋にいるかのように「接近戦ぽい」距離感。これが音楽にマッチしています。

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2011.5.1