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ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース  
サイケデリック・ピル(Blu-rayオーディオ)


NEIL YOUNG WITH CRAZY HORSE
PASYCHEDELIC PILL

Amazon

Blu-ray
輸入盤

音源 
L-PCM Stereo 24bit/192kHz

ボーナス曲
・Horse Back (CD未収録)
・Psychedelic Pill (Alternate Mix1)
・Psychedelic Pill (Alternate Mix2)

音声チェックメニュー
左チャンネルと右チャンネルから音がでて、正常か確認できる。

映像
楽曲に合わせて、レトロフィルム、風景、CGなどを使ったイメージ映像。

パッケージ
映画用のブルーのプラケース。
ブックレットは制作クレジットのみ書かれた二つ折りのペラ紙。歌詞、ライナー、写真はなし。

TIPS
Blu-ray AudioでもBlu-rayの一種だから画面を見る必要があるが、再生だけなら、リモコンのOKボタン一発で開始できる。
これは最初のメニュー画面状態になったときに、「Play」のところに選択がきているため。いちいちテレビのスイッチを付けなくてもいいのは助かる。

ニール・ヤングの新作が、24bit/192kHzのBlu-ray Audioで

 本作はニール・ヤングの2012年の新作『サイケデリック・ピル』のBlu-ray Audioです。収録音源はL-PCM STEREO 24bit/192kHz

 録音はステューダーの8トラックのアナログ・レコーダーでおこなわれ、2トラックにミックスダウン、ハイレゾ音源化されました。サラウンドはなく2chのみ。
 20分以上の大曲が含まれるせいで、CD は2枚組でしたが、Blu-ray Audioではもちろん1枚(85分くらい)です。
 さらにCDでは未収録の、これまた30分以上にわたるジャム演奏風「Horse Back」もボーナス曲として聴けます(メニューで選ぶので本編に影響しません)。


CDは2枚組、LPは3枚組だが、Blu-ray Audioは1枚に収録。さらに大曲のボーナス・トラックもBlu-ray Audioには収録。

 Blu-ray Audioですが、曲の再生中にレトロ・フィルムや、風景、万華鏡のような映像が流れます。イメージ映像ですが、1曲目冒頭に若きニール・ヤングが出たり、他の曲でも若きボブ・ディランが一瞬出ます。

 あとボーナス曲「Horse Back」の映像は、スタジオの録音機材、楽器を、ひとつひとつ、なめるように接写していく映像なので、ファンには観る価値ありです。「ここで録音したのかぁ〜」と。

延々と続く大曲や、メロディアスなナンバーで聴かせる快作

 本作はニール・ヤングの久々の快作です。前作『グリーン・デイル』(レビュー)よりも、さらにいい。個人的には70年代の『今宵その夜』以降では、一番好きなアルバムになりました(ずいぶんあいてしまいました、すみませんニール)。

 本作の魅力をざっくりと言えば2つ。
 ひとつは、延々とつづくギター・プレイ、バンド演奏の妙。
 「Driftin' Back」は27分! 
 「Rammada in」(カッコいい。『4ウェイ・ストリート』のロックサイド並の演奏)と「Walk Like A Giant」は16分以上!
 ファズやディストーションを効かせたギターがすばらしい。
 カッコいいワン・フレーズを繰り返しながら、どっぷりとギター・サウンドに浸かる感じ。いいです。

 2つ目の魅力は、『ハーベスト』の頃を思わせるニール・ヤング節が垣間みれます。「She's always dancing」は、ほぼ全開でしょう。
 本作が、米ローリング・ストーンズ誌でトップ・レビュー4つ星。ビルボードのアルバム・チャート初登場8位というのもうなずけます。

歪みまでも美しい、Blu-ray Audioの音

 Blu-ray Audioの音源は、L-PCM STEREO 24bit/192kHzのみ。
 サラウンドがありませんが、「24bit/192kHz」音源を聴いたら、そんな不満も消え去りました。

 音質は「繊細で微粒子」であります。
 グランジ・ロックさながら、歪んだギターが鳴りまくるのですが、非常に柔らかい音質。
 DVD-AudioのMLPも同じ傾向ですが、MLPは豪快な放出のなかに「重さ」や「厚み」がありました。

 しかしこのBlu-ray Audioの「24bit/192kHz」音源は、透明と言えばいいのか、音圧を感じません。まるでChesky Recordsの高音質ジャズSACDのようにナチュラルな音圧なので、どんどん音量を上げられます。
 音量を上げても、ベース音は胸に直撃しません。 ボス、ボスと柔らかいです。

 声が重なるコーラスのところは、さすがに美しい再生音です。
 やっぱり「192kHz」の威力は大きいのか、Blu-ray Audioは、DVD-Audioの“兄貴分”といった感じで、器の大きさを感じさせました。
 先にギター・サウンドに浸る素晴らしさを書きましたが、それもBlu-ray Audioの音で浸っての喜び、とお考えください。

 MP3を嫌い、みずからも高音質にうるさいニール・ヤング。このBlu-ray Audioを聴いて、本人が高音質にこだわる理由がわかりました。

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ニール・ヤングのBlu-ray Audio
Americana/ニール・ヤング [Blu-ray] [Import]
2012年『サイケデリック・ピル』のすぐ前に発表。アメリカのトラッド・ソングを クレイジー・ホースと演奏。LPCMステレオ24bit/192kHzを収録。
2012.12.3