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ブルーム・フィールド、クーパー、スティルス
スーパー・セッション


Bloomfield, Kooper, Stilis
Super Session

Amazon

Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤 Audio Fidelity

紙ケースにプラケース。

ブックレットにはアル・クーパーによるライナー「FINAL AL 5.1 SUPER SESSION NOTES ...」。オリジナルLPのライナー。

ボーナストラックはなし。

アル・クーパー本人によるサラウンド化

 Audio Fidelity初のマルチチャンネル収録SACDです。
 5.1chサラウンド製作はアル・クーパー本人、SACD2chとCD層はオリジナル・ステレオ・ミックス。

 本作は1968年の作品。以下の3人が共演したアルバムです。
 アル・クーパー(キーボード、ヴォーカル他)
 マイク・ブルームフィールド(ギター 前半)
 スティーヴ・スティルス(ギター 後半)

 硬派なタイトルとジャケット・デザイン。個性派ミュージシャンのジャム演奏…。こうきたら「ポップス好きは近寄るまい」と思うわけですが、1曲目から大変心地良いブルース。アナログA面に参加したブルームフィールドのギターが冴えわたります。

 ほかにもロッカ・ワルツのような曲、60年代を思わせるヴォーカル、ブラスロックの先取りともいえるブラス。
 実はコアなロックファンでなくても楽しめるアルバムです。

 オリジナルB面では、ブルームフィールドが抜け、スティーヴ・スティルスが参加。こちらは感じが変わりますが(ギターがやはりCS&Nテイスト?)それもまた楽し。
 最後はブラスの幻想的な「Harvey's  Tune」でシメ。
 ううむ、70年代に食わず嫌いをしていて損をしました(笑)。

60年代ロックを360度サラウンドに

 この実は硬派でなかった(?)『スーパー・セッション』がマルチチャンネルでさらに面白く聴けるのですからたまりません(音質自体は濃厚、特にベースは重いです)。

 アル・クーパーの製作したサラウンドは“プラネタリム風”。1968年、ステレオ録音初期の音が実にスムーズな360度音響になっています。

 前方のベースやドラムは定位置なものの、オルガンは前方だったり、フワっと全体的に響いたり、動いたり、といろいろ。
 ブラス・セクションは後方から鳴りますし、リード・ギター、ヴォーカルでさえも、時に後方になることがありました。

 アル・クーパーは“プログレ”のように、音を移動、回転させることを随所でやっていて、60年代ロックを360度冒険的なサラウンドに仕立て上げています。
 それは、60年代ロックから作るには無理がある“ヤンチャ”なサラウンドにも思えるのですが、まったく自然に聴けてしまうのですから見事、面白いものです。

B00L905BIG
Super Session

2014.9.22