topaboutblogClassicjazzPopsjpopselect
S
オールマン・ブラザーズ・バンド
イート・ア・ピーチ


THE ALLMAN BROTHERS BAND
EAT A PEACH
Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、Island / Mercury
SACDハイブリッド

Amazon  ¥2,210

角の丸いプラケースにブックレット。

ブックレットは三つ折りのペラ紙。アナログ・レコードのジャケット見開きの絵の復刻と、曲目、各曲のメンバーリストのみ。歌詞と写真はなし。

デュアン・オールマン亡き後に、完成されたアルバム

 1972年に発売されたオリジナルLPは2枚組ですが、SACDでは1枚に収録されています。
 本作は、『アット・フィルモア・イースト』の成功をうけて制作されました。
 しかし録音中に、デュアン・オールマンがバイク事故で死亡してしまったため、スタジオ録音(デュアン・オールマン参加の曲もあり)と、フィルモア・イーストのライヴを収録という、変則的な構成となりました。
 しかし、アルバムの出来はとてもいいです。

ディアン亡きあとの録音もすばらしい仕上がり

 マルチチャンネルで聴きました。
 アルバムはスタジオ曲から始まります。デュアン・オールマン亡き後の録音ですが、ディッキー・ベッツ(g)やグレッグ・オールマン(vo、org)が持ち味を出して、いい曲が並びます。全米No.1となった次作のアルバム『ブラザーズ&シスターズ』と並ぶクオリティだと思います。
 マルチチャンネルでは、バンドの音は前方に大きく広がります。
 リアに音を持ってくることはありません。がっしりとした音作りを感じます。
 左スピーカーのデュアン、右スピーカーのディッキーのギターが生々しい。

最高のライヴ・パフォーマンスを、ライヴ感のある空間で聴ける幸せ

 3曲のスタジオ録音が終わったあと、4曲目のライヴ録音で、サラウンド空間が、どっと広がるのが分かります。
 オーディエンスの歓声が自分の周りから起こる。フィルモア・イーストを想像させるライヴ空間が、リスニング・ルームにひろがります。
 このサラウンド空間で、あの33分におよぶ「マウンテン・ジャム」が始まるのですから、こちらも思わず「待ってましたぁ」と叫んでしまいそうです。

 ディアンとベッキーのダブル・ギターから始まり、ダブル・ドラムのソロ(チョー、カッコイイ!)、続くベース・ソロでのテンポ・チェンジなど、めくるめく盛り上がる「マウンテン・ジャム」は、数あるロック・ライヴのなかでも最高のパフォーマンスのひとつでしょう。
 それをライブのような空間で聴けるSACDマルチチャンネルは、「SACD化の贈り物」と言ってもいいでしょう。

再びディアン在命中のスタジオ録音

 アルバムは再び、スタジオ録音。
 今度はデュアン在命中の曲が並び、最後にアコースティック・ギターのデュオで終ります。これもSACDの音を堪能。
 素晴らしいスタジオ録音と、ライヴ演奏で構成された『イート・ア・ピーチ』。
 トータルで60分ちょっと、一気に聴けるSACDは、演奏の凄さにどっぷりつかれます。「マウンテン・ジャム」も、アナログ・レコードではB面とD面に分割で収録されていましたが、SACDでは一気に聴けます。

Amazon ¥2,210

オールマン・ブラザーズ・バンドのSACD
オールマン・ブラザーズ・バンド/アット・フィルモア・イースト
天馬空を飛ぶデュアン・オールマンのギター
Amazon
2011.10.2