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S
ジェントル・ジャイアント
The Power and The Glory


Gentle Giant
The Power and The Glory

Amazon (Blu-ray + CD)
Amazon (DVD-Audio+CD)


輸入盤、Alvcard

Blu-ray

・DTS-HD 5.1 Master Audio
・Stereo LPCM (96/24)
・ボーナストラック1曲
・インストのみ(全編)
・1974年オリジナル・スタジオ・ミックス(96/24)

CD

・スティーヴン・ウィルソンの新ミックス
・ボーナストラック1曲

ブックレット

2014年の英文ライナーと写真が白黒とカラーで、それなりに豊富。

 

S・ウィルソンのサラウンドと変拍子がキモチいい。
再生中のアニメーションも芸術的

 本作はプログレ・バンド、ジェントル・ジャイアントの6作目。1974年作品です。
 今回もプログレのお助けマン(笑)、スティーヴン・ウィルソンによる新ミックス2chとサラウンドを収録。

  Blu-ray+CD盤とDVD-Audio+CD盤がリリースされましたが、このレビューはBlu-rayでのレビューです。
 実質はBlu-ray Audioなのですが、ディスクはBlu-rayと表記されています。これは最後に書きますが、精巧なアニメーション映像が入っているからでしょうか。

初めて聴いたジェントル・ジャイアント

 70年代ロックを濃厚に聴いた世代ですが、実はジェントル・ジャイアントを聴いたことはありませんでした。
 今回、Blu-rayを縁に初めて聴いたわけですが、白状しますと、このアルバムの音楽を語れるほどには、いまだに至っていないのです。何度聴いても、なかなか頭に入りません。

 しかし、それにもかかわらず、
「サラウンドが面白い!」 「変拍子の演奏がキモチいい!」
そんな理由でレビューを書きたくなりました。

サラウンドが面白い!

 まず音質のことを書くと、重低音がパワフル。中域も厚みのある音です(もう音質については、みんな文句なしです)。 

 スティーヴン・ウィルソンのサラウンドは、スムーズな360度空間となっています。とくに海岸に打ち寄せる波のように、サーと移動しては消えていく残響音は芸術的。

 このアルバムで怒濤の活躍をするドラムは、珍しく前方の右スピーカー寄りです。そこからドラムのオカズ音が左へ流れたりします。または右奥へ流れたりすることもあるでしょうか。こういうドラム音の配置、気に入りました。

 これらはほんの一例で、楽器の配置、移動、消え方で見事なサラウンドとなっています。


中央がCD。右がBlu-ray Audio。Blu-ray Audioには、2chとサラウンドのほかに,1974年スタジオ・ミックスも収録。

変拍子の演奏がキモチいい!

 2つ目の理由、リズム、変拍子の演奏がキモチがいい。
 プログレらしいドラマ性は、歌詞に注目すればあるでしょうが、ジェントル・ジャイアント初心者には、なかなか頭に入ってきません。そのかわり、怒濤の変拍子が楽しくて。

 エレピなどで、ファンクなリズムをあらわすところは、同じ時期のハービー・ハンコック『ヘッド・ハンターズ』の影響もあるのでは、と勘ぐりたくもなります。

 それくらい、血湧き肉躍る、執拗なまでのリズム刻みと変拍子。イエスやEL&Pもここまで変拍子に執着していなかったはずです。

サラウンドを食うほど素晴らしいアニメーション

 このアルバムを理解する早道は、演奏中の映像を観ることでしょう(2chとサラウンドの両方で流れます)。

 曲に合わせて、CGアニメーションが映し出されます。
 歌っている歌詞、各楽器の音とシンクロした、非常に完成度の高いアニメーションで、スティーヴン・ウィルソンのサラウンドでさえ霞んでしまいそうです。曲ごとに違うテイストなので飽きない。

 今までBlu-ray Audioで、たくさん再生中映像を見てきましたが、本作の映像は、それ自体が芸術作品とも言える完成度。映像を観ながら聴くと、音楽がスーっと頭に入ってきます。

B00KKXKQ8S
The Power and The Glory (Blu-ray+CD)
The Power and The Glory (DVD-Audio+CD)

2014.9.11