XTC
Nonsuch

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＋
輸入盤

以下はBlu-ray Audioのコンテンツです。DVD-Audioは未確認。
収録音源
2ch 24bit/96kHz
5.1ch 24bit/96kHz

・2013 Stereo黄色ボタン
・2013 5.1 DTS-HD Master Audio赤ボタン
・2013 5.1 LPCM 緑ボタン
・2013 Instrumental 青ボタン
・Original Stereo Mix

・Andy's Home Demos（26曲）
・Colin's Work Tapes（9曲）

映像
・プロモビデオが2つ
「The Ballad of Peter Pampkinhead」
「The Disappointed」
・ホームビデオによる録音風景（とても長いです）

CD
2013年ミックス

ボーナス・トラック
CDとBlu-ray Audioとも、2013MIX（2ch、5.1ch）にはボーナストラック「Didn't Hurt A Bit」がつく。ボーナス・トラックがないオリジナルなのはBlu-ray Audioの「Original Stereo Mix」

スティーヴン・ウィルソンによる、XTC『ノンサッチ』の2ch＆サラウンド

　スティーヴン・ウィルソンが2ch＆サラウンドを製作したXTC『ノンサッチ』（1992年作品）は、Blu-ray Audio版とDVD-Audio版の２種類がリリースされました。本レビューはBlu-ray Audio版のレビューです。

はやく聴くべきだったXTC、ブリティッシュ・ロックらしいポップ

クリムゾンの40周年DVD-Audioと同じスタイルのパッケージ。ディスクの円周上には「XTC・THE SURROUND SOUND SERIES」。

　XTCは1970年代後半にデビューしたブリティッシュ・バンド。
　実をいうと、XTCをどうして今まで聴かなかったのか不思議です。
　 この1992年作品『ノンサッチ』を聴いて「早く聴くべきだった！」と後悔しました。
　それくらいXTCはいい音楽をしています。
　ブリティッシュ・ロックらしいポップさがありながら、実験的なアレンジ、ビーチ・ボーイズのような「コーラス＆不思議さ」などなど、僕には文句なしのストライクでした。

　１曲目「ザ・バラッド・オブ・ピーター・パンプキンヘッド」から哀愁のあるメロディで最高です。ほかにも「ザ・ディスアポインテッド 」「ウォー・ダンス」などツボにハマる曲が多いです。
　Blu-ray Audioには映像特典で、XTCの淡々としたレコーディング風景があるのですが、出来上がると、とても凝った音になっているのには驚きます。オーバー・ダビングのうまさ、アレンジの良さが現れているのでしょう。

高域が強めながら、繊細な微粒子を感じる音

各曲名にイメージ画がほどこされたデザイン。この絵がBlu-ray Audioでも曲画面で映る。

　Blu-ray Audioの音源は24bit/96kHzです。
　2chでもサラウンドでも、音は微粒子のようなサウンド・シャワーといった感じです。「淡彩な音」が何層も重なっている感じでしょうか。
　バンドは高域が強めの音ですが、微粒子のような音と、綺麗なリヴァーヴでイヤな感じはしません。
　ですから2chでも十分に気持ちよい音が飛び出します（なにより音楽がいいし）。サラウンド派の僕も、この2013MIX 2chは聴きたいし、別収録のオリジナル2chミックスも聴き込みたいと思いました。

Ｓ・ウィルソンのセンスのいいサランド。低域も厚く

　そしてサラウンド。
　XTCの演奏はバンド・サウンドですが、サラウンドが似合います。
　全体的には「きめ細やかなサラウンド」と思いました。2chでも書いた微粒子な音が、自然に360度ひろがります。
　スティーヴン・ウィルソンのサラウンドは、わざとらしさが全然ない職人芸といったところ。ヴォーカルはセンタースピーカーに。
　ほかは、いろいろな音が自己主張しないで、自然にリスナーの周りに位置している感じなんです。
　ほんとうにセンスがいい。XTCのウォームな音楽に合うし、実験的なアレンジにもピッタリです。
　あとサラウンドではサブ・ウーファーに低域が多く含まれているせいか、2chよりも低音が厚くなります。

　Blu-ray AudioとCDのディスクには「XTC・THE SURROUND SOUND SERIES」と書かれています。「シリーズ」ということは、XTCの他のアルバムもサラウンド化されるかもしれません。期待してしまいます。

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2013.11.21