吹奏楽の1972年名盤『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』が〈SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション〉

クラシック

高音質ファンに人気の〈SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション〉に新作がリリースされます。

今回はなんと吹奏楽の名盤のSACD化。『ニュー・サウンズ・イン・ブラス [SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション]』。ソニーミュージックより8月3日に発売。

『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』シリーズは今も続く吹奏楽の人気シリーズですが、その第1作『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』がSACDハイブリッド化されます。マルチチャンネルには当時のSQ4チャンネル音源(Quadraphonic)も収録。

『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』は1972年にLPレコードが発売になりました。吹奏楽に編曲されたビートルズやバート・バカラックの曲が収録されています。

吹奏楽用に編曲したのが岩井直溥、東海林 修、服部克久。

このアルバムではその岩井直溥自身が指揮、ニュー・サウンズ・ウインド・アンサンブルの演奏が収録されています。

岩井直溥は、70年代にブラスバンドをやっていた方なら忘れられない編曲者です。誰もが「岩井直溥編曲」の楽譜は思い出深いでしょう。ポップスやロックのアレンジでは独自のものがありました。

まず原曲にはない壮大な前奏、独特の前奏で開始。

ポップスにありがちの繰り返しは、金管や木管にうまくアレンジ。低音、中音、高音のパートの振り分けもうまくされており、聴く人も演奏者も「なるほどねえ」と感心したアレンジでした。吹奏楽なのにポップ的な感覚が非常に出ていたのです。

収録の曲はシンフォニック・ブラス、つまり定期演奏会などのコンサート・ホールでの演奏に聴きばえがするアレンジが施されており、編曲者の独創性が聴きどころでもありました。SACDハイブリッドでもそこが楽しめることでしょう。Quadraphonicもどんなサラウンドか興味深い。

収録曲

1.オブラディ・オブラダ (ジョン・レノン=ポール・マッカートニー/岩井直溥編曲)
2.イエスタデイ(ジョン・レノン=ポール・マッカートニー/岩井直溥編曲)
3.ヘイ・ジュード(ジョン・レノン=ポール・マッカートニー/岩井直溥編曲)
4.ディス・ガイ(ハル・ディヴィッド/バート・バカラック/岩井直溥編曲)
5.恋よさようなら(ハル・ディヴィッド/バート・バカラック/岩井直溥編曲)
6.雨にぬれても(ハル・ディヴィッド/バート・バカラック/東海林 修編曲)
7.サン・ホセへの道(ハル・ディヴィッド/バート・バカラック/服部克久編曲)
8.たぶん明日(ジャドウィガ・ウルバノウィンチ/レゼク・ボグダノウィッチ/東海林 修編曲)
9.明日の世界を美しく(ミッシェル・ルッシ/ポール・モーリア/服部克久編曲)
10. 誓い(イビカ・クラヤック/ニキッツア・カロジェラ/東海林 修編曲)

【演奏】
岩井直溥(指揮)
ニュー・サウンズ・ウインド・アンサンブル

【録音】
1972年5月16日&17日
杉並公会堂

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