大崎 滋生著の『史料で読み解くベートーヴェン』(春秋社音楽学叢書)はベートーヴェンをお好きな方には興味深い本です。
ベートーヴェンの作曲活動、経済活動からベートーヴェン像を掘り下げる本です。
ベートーヴェンが残した書簡や会話帳などの資料から作者が検討していきます。
史料で読み解くベートーヴェン
内容紹介(出版社より)
ベートーヴェンの伝記や作品史を構成してきた数々の逸話と対峙し、その真実性をあらためて検討。書簡や会話帖など史料を徹底的に洗い直すことで、政治・社会情勢に翻弄されながら経済的に自立した芸術家として活動し続けたベートーヴェンの姿が浮かび上がる。
序章 史料と向き合う
第1節 ベートーヴェン研究の現在
第2節 シンドラー言説を徹底排除するために
第1部 耳疾と経済
第1章 耳疾の影響は何をもたらしたか
第2章 出版活動
第1節 出版点数の推移を軸に俯瞰する
第2節 作品出版の実相
第3章 経済状況
第1節 社会権力からの自立と年給問題
第2節 1816年以降、経済状態は急速に悪化
第2部 「大作品」 シンフォニー、オペラとオラトリオ
第4章 ベートーヴェン・シンフォニー再考
第5章 ナポ レオン戦争がベートーヴェン作品の内実に及ぼした影響
第1節 《エロイカ》はなぜイタリア語なのか
第2節 占領下におけるコンサート開催
第6章 オペラとオラトリオ
第1節 遺されたオペラは1作のみ
第2節 ベートーヴェン像を解く鍵はオラトリオ創作
第3部 ミサ・ソレムニス
第7章 《ミサ・ソレムニス》とルドルフ大公
第8章 作品献呈の意味
第9章 生涯最大の被献呈者、ルドルフ大公
第10章 ルドルフ大公献呈作品としての《ミサ・ソレムニス》
終章 音楽史とは何か