サンタナの1974年作品『不死蝶』が〈SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション〉で発売になります。SACDハイブリッドには2chとQuadraphonic(4チャンネル)音源を収録。
発売は11月6日。
初SACD化、当時日本未発表だったQuadraphonicも収録
本作はこれが初のSACD化。2chは新たにDSDマスタリング。
さらに当時日本で未発売だった4チャンネル(Quadraphonic)音源を収録。こちらも4chミックス・マスター音源よりマスタリング。
デザインはUS盤4チャンネルLPのアートワークを復刻した7インチジャケット。US盤レーベル・デザイン。日本盤の帯など。
他にも「Give And Take」の日本盤シングル・ジャケット復刻や、ライナーノーツ復刻など、コレクションとして楽しめる内容です。
サンタナの隠れた名作、当時は日本のファンも聴けなかったQuadraphonicを収録
とうとう『不死蝶(原題「Borboletta」)』の初SACD化、そしてQuadraphonic(4チャンネル・サラウンド)音源の日本初登場です。
『不死蝶』は、初来日ライヴ『ロータスの伝説』で人気絶頂となったニュー・サンタナ・バンドが、2度目の来日をした1974年に合わせて発売になりました。
管理人もこのアルバムは買いましたが、普通のステレオ盤で、当時日本では4ch(Quadraphonic)盤は発売されませんでした。
というか、4ch盤の存在すら知りませんでした。その存在を知ったのは何十年も経ったオヤジになってからで、中古レコード店で輸入4ch盤を見た時、「出てたのか!」とびっくりしたものです(このパターン多いです)。
アルバムが発売になった1974年の時点で、日本の「4チャンネル・ブーム」は終わっていたのですね。当時日本のサンタナ・ファンでこのQuadraphonicを聴いた人は、どれだけいたでしょうか。
とはいえ『不死蝶』は2chで聴いても、かなりいいアルバムでした。フュージョンに近いラテン・サウンドと申しましょうか、リターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバーがゲスト参加などして、ラテン色に透明感が出ました。カルロスのギターもあいかわらず官能的で、泣きのメロディーも随所に出ます。
そして一番気に入ったのはトータル・アルバムとして聴かせるところ。導入の「春の訪れ」の熱帯を思わせるパーカッション演奏からアルバムは始まり、ラストは(ピンク・フロイドの『狂気』のように)盛り上がりとカタルシスが訪れ、再び最初のパーカッション演奏「不死蝶」で幕を閉じる構成。プログレを聴いたような満足感に浸りました。
サンタナの代表曲となる単体曲はありませんが、トータル性なら『不死蝶』は申し分なく楽しめるアルバムと思います。だからこそ4chで聴いてみたいものです。
不死蝶-SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション-
不死蝶-SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション-/サンタナ
【SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションの特徴】
●【SA-CD 4ch】 クアドラフォニックLPのアナログ・4chミックス・マスター音源を日本のソニー・ミュージックスタジオにて初DSDマスタリングした高音質サラウンド・ミックス
●【SA-CD 2ch / CD】 アナログ・2chミックス・マスター音源を新たにDSDマスタリングした高音質ステレオ・ミックス / CD層もSA-CDマスターをPCMに変換した新マスタリング音源
●US盤オリジナル・クアドラフォニックLPのアートワークを初復刻した7インチ紙ジャケット
●US盤オリジナル・クアドラフォニックのゴールド・レーベルを再現
●「Give And Take」の日本盤シングル・ジャケット復刻
●1974年アルバム発売時の海外オリジナル広告ミニ・ポスター(2種類)封入
●日本盤オリジナルLP初版帯復刻
●1974年、2006年改訂版ライナーノーツ復刻+新規解説付ブックレット
●2024年最新リマスター盤
【収録曲】
1. Spring Manifestations (Sound Effects) / 春の訪れ
2. Canto De Los Flores / 花の歌
3. Life Is Anew / 新たなる旅立ち
4. Give And Take / 果てしなき世界
5. One With The Sun / 太陽のもとへ
6. Aspirations / 熱望
7. Practice What You Preach / 君の教え
8. Mirage / はかない夢
9. Here And Now / ヒア・アンド・ナウ
10. Flor De Canela / シナモンの花
11. Promise Of A Fisherman / 漁夫の契
12. Borboletta / 不死蝶