
Richard Strauss
Eine Alpensinfonie
Vier Letzte Lieder
(5ch)
録音2007年 ドレスデン ルカ教会
ソニークラシカル
SACDハイブリッド
Amazon(国内盤) ¥2,632
Amazon(輸入盤) ¥6,268
普通のプラケースにブックレット。
国内盤のブックレットには、曲解説。《4つの最後の歌》の歌詞対訳。アーティストカラー写真。
ジャケット写真、ルイージのバックは、豪奢なドレスデンのゼンパー・オーパー。なので録音もここかと思っていたが、ルカ教会でした。ブックレット裏にはゼンパーオーパー、ステージでのオーケストラ全体写真。
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ルイージ&シュターツカペレ・ドレスデンによる《アルプス交響曲》
本作はファビオ・ルイージがシュターツカペレ・ドレスデンと制作したリヒャルトシュトラウス管弦楽集の1枚です。
《アルプス交響曲》は1915年、作曲家自身の指揮で、このSACDと同じシュターツカペレ・ドレスデンにより初演されました。
シュトラウスの管弦楽曲のなかでは、どうも軽んじてしまいそうな《アルプス交響曲》ですが、「夜」「日の出」「登山」…と表題を追って聴いてみると、以外と面白かったです。それに分かりやすかった。
管弦楽は風景の描写というより、心象風景の描写のようですが、それでも表題どおりの自然の営みを感じられて、曲の間、退屈しなかったのが自分でもビックリしました。
もちろんシュトラウスの管弦楽曲は、オーディオ・ファイルがオーディオチェックに使うほど、あらゆるオーケストラのサウンドが現れるので、面白くないわけはないのですが。
シュトラウスの到達点《4つの最後の歌》
もうひとつの収録曲《4つの最後の歌》はシュトラウス晩年のオーケストラ付きの歌曲。《アルプス交響曲》よりこちらを先に収録してもいいほどの名曲です。
モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、そしてブルックナーにマーラー。これらドイツの作曲家の晩年は、透明で無垢な作風になるのですが、シュトラウスも例外ではありませんでした。
《4つの最後の歌》の厭世観と、静かな精神世界は、シュトラウスが、そしてドイツ・ロマン派が最後に到達した(なんと1947年、もう現代音楽の時代!)、最上の音楽のような気がします。
SACD2chステレオ、自宅で最上のオーディオ音
SACDの2ch再生では、甘いオーケストラ・サウンドが豊かに広がります。残響音は若干あるものの、「切れ味の良い、ふくよかさ」。
スピーカーが、まるで楽器のように豊かな音で、自分の部屋を満たしてくれます。
《アルプス交響曲》の弦はたいへん繊細。それでもトラック17「雷雨と嵐、下山」では迫力のサウンドになります。《4つの最後の歌》のアニヤ・ハルテノスのヴォーカルもやわらかいです。
SACDマルチチャンネル、ルカ教会の響きのなかの音
マルチチャンネルでは、2chの自分の部屋から、一転、オーケストラと同じ空間に感じます。残響がうしろまで、薄く広がるサラウンド。
録音されたのはドレスデンのルカ教会(Lukaskirche Dresden 右)。
サラウンドは、ここの雰囲気を伝える豊かな響きですが、教会にしてはオーケストラの音は濁りなく、距離感も丁度良いです。最初、彼らの本拠地ゼンパー・オーパーでの録音かと思ったくらい。
マルチチャンネルでも、2chステレオでの「切れ味のいい、ふくよかさ」は健在です。もちろんオブラートのような残響音に包まれた分だけ、リアルで聴きやすいオーケストラ・サウンドになります。
サラウンドらしい効果としては、《アルプス交響曲》トラック3「登山」。通常、舞台裏で演奏される金管楽器ファンファーレが、リア側から薄く広がってきます。
その時、前方で演奏されているオーケストラの響きとの、テクスチャアの違い。それらが空間で混ざり合うところのカイカンは、なかなかのものでした。
あとトラック7「山の牧場」。カウベル風な音が、どこともなく全体にただよって、実際に自然の中のような広がりを感じました。
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ルイージ&シュターツカペレ・ドレスデンのSACD
 2011.5.10
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