
Hilary Hahn
Higdon & Tchaikovsky
Violin concerts
録音 Riverpool Philharmonic Hall
2008年11月(チャイコフスキー)
2009年5月(ヒグドン)
ユニバーサル
Amazon(輸入盤)
Amazon(国内盤)
普通のプラケースにブックレット。
国内盤ブックレットの内容
ヒラリー・ハーン「このアルバムについて」、リン・S.マッツァ「曲目解説」
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ハーンの2010年の作品は、得意の現代音楽と、待望のチャイコフスキー
本作はCDでのリリースですが、なかなか良かったので、レビューをアップします。
人気のヒラリー・ハーンの2010年のアルバム。収録されているのは、待望のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と、現代音楽の作曲家ジェニファー・ヒグドン(1962年生)のヴァイオリン協奏曲です。
これはいい曲、ヒグドンのヴァイオリン協奏曲
最初に収録されている、ヒグドンのヴァイオリン協奏曲がとても気に入りました。
現代音楽ですが、ヒグドンの曲は調性があります。といっても、安っぽいメロディはなし。
抽象的な動きのなかに、余情性のあるヴァイオリン・ソロと、色彩感のある管弦楽。リズミックなところは、個人的にはプロコフィエフの音楽を思わせました。
第3楽章の、ハーンの息もつかせぬ、ヴァイオリンの超絶技巧がクライマックス。ヒグドンのヴァイオリン協奏曲は、実演で初めて聴いたとしても、観客の喝采を浴びる現代音楽だと思います。
チャイコフスキーもクライマックスで超絶
2曲目がチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。おなじみの名曲ですが、チャイコフスキーが書いたオリジナルの楽譜での演奏です。
第一楽章は、少し慎重に、音楽を運んでいるように思えるハーンですが、案外これくらいのほうが、安っぽくなく、何回も聴くと好きになれそうな気もします。
そのかわり第3楽章は、ハーンならではの、すさまじい弾き方で、ここでのクライマックスの超絶技巧が、くしくもヒグドンのヴァイオリン協奏曲のそれと重なって、「(アルバムを)トータルに聴いたぁ!」という満足感を持ったのでした。
意外にもマイルドなCDの音だが
CDですので、硬めの音を覚悟していたのですが、意外にも、聴いてみるとマイルドな鳴り方でした。
ただマイルドはいいのですが、もう少し輪郭がハッキリしてくれたほうが、聴きやすいかなあ、という不満もありました。いいオーディオ・システムだと、うまく鳴ってくれるかもしれません。
聴いたのは国内盤のSHM-CDです。輸入盤のCDでは、どんな音かは不明です。
演奏が気に入っただけに、願わくばSACDでリリースしてほしいところ。ヒグドンやチャイコフスキーの音響/ダイナミックスなら、マルチチャンネルがピッタリだと思うのです。
Amazon(輸入盤) Amazon(国内盤)
ヒラリー・ハーンのSACD
ヒラリー・ハーンのCD(SACDで発売されていないもの)
 2011.1.31
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