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ブラウティハム、他&ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン 
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲、3台のピアノのための協奏曲

Ronald Brautigam and
Alexei Lubimov(forte piano)
Manfred Huss(deirection&fortepiano)
Haydon Sinfonietta Wien
Mozart
Concert for Two and Three Pianos
Hybrid Stereo/Multi-ch
録音2006年
輸入盤、BIS

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HMV
TOWER RECORDS

・2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K.365
・3台のピアノのための協奏曲ヘ長調 K.242
・2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K.365(クラリネット、トランペット、ティンパニを含む版)

演奏者
ロナルド・ブラウティハムとアレクセイ・リュビーモフ(フォルテピアノ)
ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン
マンフレート・フス(指揮とフォルテピアノ)

モーツァルトの複数のピアノのための協奏曲集

 モーツァルトのピアノ協奏曲第7番、第10番は、それぞれ「3台のピアノのための協奏曲(Lodron Concert)」「2台のピアノのための協奏曲」と呼ばれる協奏曲です。このディスクはそれらを収めたSACD。
 ピアノはモーツァルト時代の音色を出すフォルテピアノ、オーケストラもオリジナル楽器で透明感のある響きが魅力です。
 両協奏曲は、ともにモーツァルトのザルツブルグ時代に書かれており、若さがあっていいですね。特に「2台のピアノのための協奏曲」は有名で、モーツァルトの他のピアノ協奏曲に比べても遜色ない、ホントいい曲です。

モーツァルト自身の編曲によるウィーン版も収録

 書き遅れましたが、このSACD、その「2台のピアノのための協奏曲」が2ヴァージョン収録されています。
 最初がザルツブルグ時代のオリジナルのもの。二つ目が、モーツァルトがウィーンに出てきて、そこで演奏するためにモーツァルト自身がティンパニ、トランペット、クラリネットを加えて編曲しなおしたもの。通常はザルツブルグ版が演奏されるのですが、このウィーン版もいいのです。
 なんといってもクラリネット!
 モーツァルトのクラリネットは、聴く者を無常の喜びに誘います。所々、むき出しになるクラリネットのパッセージは、モーツァルト・ファンにはたまらないご馳走となるでしょう。
 一方で、ティンパニ、トランペットの追加は、音響を拡大させる役目になっていて、それほど魅惑的でもありません(これはこれでいいのですが)。
 英文ライナーノートには、「ティンパニ、トランペットは、第三者による、のちの編曲ではないか?」と疑問を述べていますが、ううむ、そう思うような、思わないような。ま、これ以上、この問題に筆をすすめることはやめて、とりあえず我々はクラリネットを楽しもうではありませんか。

ホールの残響を含んだ音

 マルチチャンネルは5.0chの収録、オーストリアのFlorianikircheという会場の残響が、とてもよく響きます。
 そのなかに溶け込むオリジナル楽器のオーケストラと、フォルテピアノのサウンドは、音楽としてとても聴きやすいです。やはりクラシックは、マルチチャンネルがやめられないですね。
 よくピアノ協奏曲の録音では、ピアノがやたら前面にでてきて、「ホントのバランスかいな?」と思うこと多いのですが、この録音のフォルテピアノは、オーケストラと溶け込んだバランスで、それも気に入りました。

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HMV
TOWER RECORDS

2008.1.10