「魔笛」全曲のスーパーオーディオCD
モーツァルトのオペラ「魔笛」全曲がスーパーオーディオCDで出た。3枚組である。
演奏はオランダの古楽で有名なシギスヴァルト・クイケン指揮/ラ・プティット・バンドである。
- モーツァルトに目がない
- 「魔笛」に目がない
- オリジナル楽器(古楽)に目がない
- スーパーオーディオCDに目がない
こんなわたしが買うのは必至でしょう。買いましたとも。
この演奏は2004年7月のフランス・ボーヌのバロックオペラ音楽祭でのライヴ録音である。
「魔笛」は歌とセリフで進めていくオペラなので、レコードではセリフだけ声優が喋ることがある(ベーム盤など)。こういう演出は確かにレコードとして完成度は高いが、どこか人工的に感じていた。
実際にステージで演じられているような「魔笛」を聴いてみたい。そう思っていたのでライヴ盤は大歓迎である。
ライヴといっても、クラシックの場合、観客の咳、拍手などは消して、スタジオ録音ぽく仕上げるが常である。
このSACDもそうなのだが、1回だけ笑い声が上がるところがあるし、歌手がごそごそ動く音が時々するのでライヴとわかる(そのかわりセリフも長めでスキップしたいところあり(^-^;)。
夜の女王の場面では雷の音が必要であるが、これも従来のレコードのように雷の効果音ではなく、トタン板を「グアン、グアン!」鳴らしたような音で、こういうところもお芝居っぽくていいです。
マルチチャンネルでヴィーデン劇場の「魔笛」気分?
オリジナル楽器でのモーツァルトのオペラは、もう珍しいものでなくなった。
聴くとやっぱ、現代オケより良い響きだ。ワグナーのような重厚さが、ひとかけらも出てこなくてグッドであります。
古楽器+ライヴ+マルチチャンネル。
これで聴く「魔笛」は、1791年初演時のヴィーデン劇場の気分、といったら大げさかな(もちろん同じとは思えないが)。
芝居小屋の気分に思いをはせるには若干「弦楽器の残響が多すぎる?」と思わないでもないマルチであるが、「魔笛」のテーマともいえる3つの和音が鳴る。その残響が休止符のところで消えていくさまは、いいなぁ、と思う所であります。
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2004.5.11
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