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シギスヴァルト・クイケン指揮/ラ・プティット・バンド
モーツァルト:歌劇「魔笛」K620全曲

W.A.MozartDie Zauberflote
Kuijken
LA PETITE BANDE

輸入盤、AMATI
録音2004年7月2日、4日。 

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パパゲーナを歌うマリー・クイケンはシギスヴァルト・クイケンの娘だそうです。
あとタミーノとパパゲーノのコンビはゲンツという兄弟みたいです。

ジャケットやブックレットには当時の舞台の模様を描いた水彩画が用いられています。

「魔笛」全曲のスーパーオーディオCD

 モーツァルトのオペラ「魔笛」全曲がスーパーオーディオCDで出た。3枚組である。
 演奏はオランダの古楽で有名なシギスヴァルト・クイケン指揮/ラ・プティット・バンドである。

  • モーツァルトに目がない
  • 「魔笛」に目がない
  • オリジナル楽器(古楽)に目がない
  • スーパーオーディオCDに目がない

 こんなわたしが買うのは必至でしょう。買いましたとも。

 この演奏は2004年7月のフランス・ボーヌのバロックオペラ音楽祭でのライヴ録音である。
 「魔笛」は歌とセリフで進めていくオペラなので、レコードではセリフだけ声優が喋ることがある(ベーム盤など)。こういう演出は確かにレコードとして完成度は高いが、どこか人工的に感じていた。
 実際にステージで演じられているような「魔笛」を聴いてみたい。そう思っていたのでライヴ盤は大歓迎である。
 ライヴといっても、クラシックの場合、観客の咳、拍手などは消して、スタジオ録音ぽく仕上げるが常である。
 このSACDもそうなのだが、1回だけ笑い声が上がるところがあるし、歌手がごそごそ動く音が時々するのでライヴとわかる(そのかわりセリフも長めでスキップしたいところあり(^-^;)。
 夜の女王の場面では雷の音が必要であるが、これも従来のレコードのように雷の効果音ではなく、トタン板を「グアン、グアン!」鳴らしたような音で、こういうところもお芝居っぽくていいです。

マルチチャンネルでヴィーデン劇場の「魔笛」気分?

 オリジナル楽器でのモーツァルトのオペラは、もう珍しいものでなくなった。
 聴くとやっぱ、現代オケより良い響きだ。ワグナーのような重厚さが、ひとかけらも出てこなくてグッドであります。
 古楽器+ライヴ+マルチチャンネル。
 これで聴く「魔笛」は、1791年初演時のヴィーデン劇場の気分、といったら大げさかな(もちろん同じとは思えないが)。
 芝居小屋の気分に思いをはせるには若干「弦楽器の残響が多すぎる?」と思わないでもないマルチであるが、「魔笛」のテーマともいえる3つの和音が鳴る。その残響が休止符のところで消えていくさまは、いいなぁ、と思う所であります。

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2004.5.11