
Puccini : Tosca
C.davis /Royal Opera House
Caballe,Carreras,Wixell
マルチは4ch
輸入盤、Pentatone、2枚組、
録音1976年
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1枚ものプラケースにSACDを2枚収録。ブックレットは伊、独、英、仏、4カ国語の歌詞。厚さは1枚ものプラケース分くらいで、ブックレットとプラケースを一緒にして紙箱に入れてある。まあ、スペースとしては最小だと思います。
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76年録音、カバリエ、カレーラスの熱唱
トスカの歌い手では、誰が人気だろうか。
まずはマリア・カラス。それからカラスと人気を分けあったテバルディ。ともに古い録音(50年代&60年代)だけど人気がある。
でも、このカバリエも結構いいです。76年の録音。これまでLPやCDでリリースされていましたが、PentatoneからSACD化されました。
プッチーニの歌劇『トスカ』のストーリーは、シンプルなもの。愛し合う歌手トスカと画家カバラドッシ、横からトスカを寝取ろうとするスカルピア男爵、要するに、この3角関係の話。
それだけに3者の歌い手の力量で、このオペラの面白さも決まる、と言ってもいいと思います。
このSACDでは、トスカはカバリエ。ちょっと気品のあり、可愛らしい声が、カラスとはまた別の魅力です。カバラドッシを歌うのは三大テノールのひとり、ホセ・カレーラスで文句なし。スカルピア男爵を歌うのはウィクセル。気品のあるバリトンで、スカルピア男爵の好色で、悪魔的な部分を際立たせてくれます。
もちろん、プッチーニの甘く切ない旋律を、コリン・デイヴィスの指揮で楽しめます。
4チャンネル版が、マルチチャンネルで初リリース
英語ブックレットによれば、SACDステレオは、オリジナルテープからDSDマスタリングされ、当時のLPのステレオミックスを参照して新たにミキシングされました。
特筆すべきは4チャンネル録音がマルチチャンネルに収録されていることです。
76年の録音時は、4チャンネルの制作もおこなわれていました。しかし、時世は4チャンネルの消滅へ向かっていたので、結局、ステレオのみのリリースで、4チャンネル・レコードでのリリースはありませんでした。
今回、マルチチャンネルに、オリジナルの4チャンネル・テープからDSDマスタリングされたものを収録。およそ30年ぶりに4チャンネル版が日の目を見ることとなりました(なのでフロント2本、リア2本による4.0ch)。
マルチチャンネルを聴いてみましたが、いいですね。残響音に適度な広がりがあって、とても自然な音場が出現します。ほんとうに、これを聴くと「4チャンネルは失敗だった」と長いこと思っていたのは誤解だったと、あらためて知らされます。
70年代の『トスカ』では名盤のSACDによる復活。ぜひ聴いてみてください。
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2007.8.10
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