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SACDhybrid ウィル&レインボー
ハーモニー


Will & Rainbow
Harmony

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Hybrid Stereo/Multi-ch
録音2003年 N.Y.と東京
国内盤、Eighty-Eight's

厚紙の見開き紙ジャケット。
ブックレットには中川ヨウ氏のライナーと解説。
フィービー・スノウが歌う「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」「トラブル・イン・マインド」の歌詞と対訳。

Eighty-Eight'sレーベルのフュージョン・アルバム

 本作は、ピアニスト兼作曲家のウィル・ブールウェアを中心としたグループ「ウィル&レインボー」のアルバム。
 2002年に生まれた日本の高音質ジャズ・レーベルEighty-Eight'sの初期のアルバムです。DSDレコーディングで、マルチチャンネルも収録。

スティーヴ・ガッドのドラム、フィービー・スノウのヴォーカル

 フュージョン系ジャズの王道とも言えるメンバーで、「イスラエル」から始まります。
 ビル・エヴァンス・トリオで有名なこの曲も、マイケル・ブレッカーのサックス、ウィル・ブールウェアのピアノ、アンソニー・ジャクソンのベースで、ドライヴ感のある曲に変貌しています。
 なかでもドラムのスティーブ・ガッドのブラシが素晴らしく、聴きほれてしまいます。このアルバムで一番の主役は、スティーヴ・ガッドのドラムだと思ってしまうくらい。「ニュー・アンド・オールド」でも、素晴らしいドラムソロを聴くことができます。

 フィービー・スノウがヴォーカルをとる3曲も聴きごたえがあり、ちょうどいい、アクセントになります。
 あとシンセサイザーの長尺の音や、ピーター・バーンスタインの粋なギターが、いい味付けになっています。


Eighty-Eight'sレーベル十八番の、厚紙の美しい紙ジャケット。

2chステレオは“音の濃縮ジュース”

 サラウンド派の僕も、このアルバムでは2chステレオに、より惹かれました。
 自分の好みでそろえた2本のスピーカーが、街のオーディオ店のショールームで聴いているように、“音の濃縮ジュース”を奏でます。
 「おまえたち、キモチ良さそうだなあ」と、主人としても嬉しいわけです。もちろん自分の耳も、快感を感じています。

 マルチチャンネル(5ch)は、アンビエント音により、2chの音場を広げるようなサラウンドです。後ろに音を配置することはありません。
 これはこれでいいのですが、2chで堪能した“音の濃縮ジュース”を知っているだけに、このアルバムでは「2chのほうが好みかな」と思いました。
 フィービー・スノウのヴォーカルも、やや残象が大きいめ(2chでも同じですが、2chではそんなに気になりません)。
 もちろん2chかマルチかは、個人の好みです。そのときの気分で選べばいいと思います。

 ちなみに、SACDマルチチャンネルや、DVD-Audioで“音の濃縮ジュース”なサラウンドは沢山あります。そういうサラウンドはやっぱり、2ch以上に素晴らしい音楽空間を表出します。念のため。

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ウィル&レインボーのSACD
B000BNM92S オーヴァー・クリスタル・グリーン Hybrid Stereo/Multi-ch
2002年録音。最初SACD専用ディスクだったものが、SACDハイブリッド盤、見開き紙ジャケットで再発売されたもの。
2012.10.11