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ハンクの気品、ディジョネットの破綻、の妙
本作は、2005年6月録音。DSDレコーディングです。
ピアノ・トリオによるスタンダード集ですけれども、ぜんぜん退屈しないで聴けました。ピアノのハンク・ジョーンズは録音時に86歳だそうです。
最初聴いた時は、「ハンク・ジョーンズは上品で気品あふれるプレイだな、じゃあレビューにもそう書こうか」という感想だったのですが、聴いているうちに、「けっこう、このアドリブ深いな」と思いはじめました。
表面的には破綻なくやっているように(筆者みたいなシロウトには)聴こえたのですが、内部ではジャズの魂がうずまいている、そんなプレイに思えてきました。
破綻を出しているのがドラム。ジャック・ディジョネットです。この人のドラミングがこのSACDを面白くしてると思います。随所に納まらないドラミングを盛り込む。ハンク・ジョーンズのプレイといい対比になってます。
ザ・グレイト・ジャズ・トリオというと、初代からリズム隊がすごいというイメージでしたので(最初はトニー・ウィリアムスだ!)、ジャック・ディジョネットもそれにふさわしい人選ですね。
音はアナログ臭くて、ベースはグッとのど元にくるような太さです。シンバルも繊細な音です。
ジャケットは、いつものようにEighty-Eight'sならではの、光沢のある見開き紙ジャケットです。
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ザ・グレイト・ジャズトリオのSACD
 2008.11.7
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