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ブレッド&バター 海岸へおいでよ


国内盤
ソニーミュージックダイレクト

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普通のプラケースに、カラーブックレット、歌詞と写真が何枚か載っている。

ブレッド&バターのベスト盤SACD『シルバー・ブレッド&ゴールデン・バター アーリー・ベスト1972-1981』のレビューはこちら

ブレッド&バターは、SACDでゆったりと

 兄弟デュオ、ブレッド&バターといえば、『レイト・レイト・サマー』が若い頃からの愛聴盤のLPで、この27年間、ちょくちょく取り出しては聴いておりました。そのなかの「あの頃のまま」は哀愁ただよう曲で、こんなオヤジになっても“蒼さに泣ける”曲なのです。

 さて、彼らのニューアルバム『海岸へおいでよ』が、SACDハイブリッド盤で出ました。
 ブックレットを読むと〈「あの頃のまま」の30年後〉というコンセプトで制作されたようです。おわぁー、たまりません。
 でも、聴いてみると昔と全然変わってませんね。冒頭の「ふたりのメロディー」から、ヘニョッとした独特のヴォーカル、ハーモニーに出会えました。
 失礼ながらブックレットのお二人の写真をみて「年取ったなあ」と苦笑いしたものですが、声は「ぜんぜん、変わってない!」とビックリしました。あの頃のまま、ですね。ほんとうに声が若い。

 収録曲も佳曲だらけで、すごくいいです。
 かまやつひろし、小椋佳、森山良子、加藤和彦などなど。「意外性のある人とのコラボレーションを」とライナーノートには書いてありましたが、出来上がったアルバムは統一感があります。ユーミンの提供した「海岸へおいでよ」が一番好きかな。

 いずれの曲も、“人生の夏休み”のような、のんびりとした音楽。年を取った“かつての若者”が、素敵な人生を今も歩いている姿が目に浮かぶ。親友の死んだ日を、ひょうひょうと綴る「マルガリータで乾杯」など、この歳でなければ歌えないでしょうね。
 人生や、仕事に疲れた夜、「ちょっとシフトダウンしてもいいよね」と気が休まるアルバムだと思います。
 こういう音楽なので、SACDのアナログ・ライクな音がうれしい。シャカリキに高音質を出している感じがしない、余裕で、ゆったりと暖かい音を出すSACDは、ピッタリじゃないでしょうか。

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2007.9.2