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今井美樹
Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics-

今井美樹 Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics- (Single Layer SACD)

ステレオサウンド・ストア

SACDシングルレイヤー(ステレオ層のみ)

ステレオサウンドから今井美樹のシングルレイヤーSACD

今井美樹がユーミンの曲をカバーした『Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics-』がステレオサウンドによりSACDシングルレイヤー化された。SACD対応のプレーヤーでのみ再生できる専用ディスクである。

本作のオリジナルは2013年の発売。今井美樹が荒井由実/松任谷由実の名曲の中から12曲を選んで歌ったアルバムだ。録音はロンドンを拠点におこなわれた。サウンドプロデューサーはジャミロクワイ、宇多田ヒカルなどのストリングス・アレンジでも知られるサイモン・ヘイル。

それをステレオサウンド(Stereo Sound)が独自企画で、ユニバーサルミュージックの協力のもと、2019年にSACD化したのが本作だ。マスタリングは鈴木浩二氏(ソニー・ミュージックスタジオ)。オリジナルマスター(トラックダウンマスター)からマスタリングした。

ディスクは緑色仕様。オリジナルのブックレットとは別に、黛 健司氏のSACD化に際してのライナー掲載の紙片も封入されている。

心地良い大人の高音質

SACDの音の第1印象は、暖かいエッジの内に十分な情報量が詰まった音。粒立ちよく、立ち上がりも早い。人工的なリヴァーブ音のような類いも耳につかない。自然な響きが快適だ。要するに、心地良い大人の高音質。

そう思うのは中域の充実があるのかと思う。一方でシンバルなどの金属系、高域がキラキラと綺麗なところも見逃せない。また減衰音が綺麗なのか、無音の瞬間でもうっすらとした気配が漂うよう。そう感じるのはSACDだからかもしれないが。

1曲目「卒業写真」から今井美樹のヴォーカルが柔らかく浮かび上がる。そこにバックの音が重なる。バラード系では、曲の導入は伴奏が少ないので、まずはヴォーカルの息遣いにまずは聴き惚れる事になる。「青春のリグレット」などヴォーカルとアコースティックなサウンドが心地よい。

その一方で軽快な曲も聴きごたえがある。有名な「中央フリーウェイ」、グルーヴィーな「ようこそ輝く時間へ」といった曲がそう。

どちらもロンドンのジャズ・ファンク/アシッド・ジャズ・バンド、インコグニート(Incognite)によるアレンジで、このサウンドも本SACDの聴きどころのひとつ。オリジナルは若者向けの曲調であるが、SACDではドンシャリでないところが聴きやすい。音のエッジが柔らかいのでキンキンしないし、近所を気にするようなマッチョな低音でもない。ジュージーな音がひたすらラテン風味のリズムを刻む。コーラスやブラスセクションが中域に厚みを添えるから非常に心地よい。ユーミンのオリジナルとはまた別の味わいがある。

今井美樹流のしっとりした“ユーミンの世界”

収録曲はどれも松任谷由実の名曲なので、曲の良さは文句なし。ユーミンのオリジナルは、若者から年配まで、すべての世代に向けての最先端のサウンドとしたら、本作のサウンドはちょっと落ち着いたクラブにでも寄って、大人の空間でユーミンの世界に浸る雰囲気だ。今井美樹のヴォーカルがしっとりとした“ユーミンの世界”へいざなってくれる。

SACDシングルレイヤーの高音質で聴くには最適なソース。プレイボタンを押せば、あの音質と、あの音楽が聴ける……、パッケージを見ただけで何度も取り出して聴いてしまいそうだ。

2019年9月16日

今井美樹 Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics- (Single Layer SACD)

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SACDシングルレイヤー(ステレオ層のみ)

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