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中森明菜
歌姫 -Stereo Sound Selection-

中森明菜:歌姫 -Stereo Sound Selection-

アナログレコード 
33回転 180g 重量盤 
発売日:2020年12月21日
※ステレオサウンド社独占販売品

ステレオサウンド・ストア

文・牧野良幸

中森明菜のカヴァー集「歌姫」をステレオサウンドがアナログレコード化

ステレオサウンド(Stereo Sound)が中森明菜『歌姫 -Stereo Sound Selection-』をアナログレコードでリリースした。180グラム重量盤。

これは中森明菜がカバー曲を歌った「歌姫シリーズ」から、ステレオサウンドが珠玉の10曲を厳選しアナログレコード化したものである。

音源はユニバーサルミュージックのデジタルマスター音源を日本コロムビア製カスタムメイドのDAW内でPCM96kHz/24bitへと変換。それを2種類のイコライザーと日本コロムビアオリジナルのミキシングコンソールを使ってアナログ領域で音質を調節。

カッティング・マスターは日本コロムビアの武沢茂氏。ノイマンVMS70カッティングマシーンとSX74カッターヘッドでの製作である。

明菜のヴォーカルが聴きどころ

今日製作されるアナログレコードの音質はとても良くて、こちらも慣れているつもりなのだが、『歌姫 -Stereo Sound Selection-』も期待を裏切らず、1曲目の「I LOVE YOU」からクリアで粒立ちの音が広がった。それでいて音は暖かく、柔らかく、コクがある。これだからアナログレコードは……というか高音質のアナログレコードはたまらない。

ただ他の高音質アナログレコードと違うのは、これが中森明菜のヴォーカルだということだろう。

中森明菜のヴォーカルはしっとりとして、ささやくような声だ。透明感もある。収録曲の曲調も関係しているだろうが、けっして声を張り上げることがない。

ということで、このレコードの聴きどころは、他に替えようのない中森明菜のヴォーカルということになる。明菜のヴォーカルはエッジがかすれているように空間に染み込む。伴奏のクッキリとして粒立ちの良い音との、描き分けが美味である。システムのグレードが高いほどこのレコードの味わいを引き出すことだろう。

収録曲もいい。70年代、80年代の、シニア以上のオーディオファイルが心休まるような曲が収録されているのが嬉しい。いずれも名曲だが、たとえオリジナルに思い入れはなくとも、生まれ変わったように好きになるところが中森明菜の魅力だ。

片面に5曲という長さもちょうどいい。気軽にターンテーブルにのせられる。カッティングも5曲くらいの方が余裕があると思う。A面の最後の2曲は小さな会場と思われるライヴ収録で、その空気感もいい。

ライヴで終わるA面を聴くか、竹内まりやの「シングル・アゲイン」から始まるB面を聴くか、はたまた両面聴くか、楽しみのつきないレコードだ。

収録曲(括弧内はオリジナルの歌手)

Side A
1. I LOVE YOU (尾崎豊)
2. なごり雪 (イルカ)
3. 恋(松山千春)
4. ベルベット・イースター(Live ver.) (荒井由実)
5. Woman “Wの悲劇より”(Live ver.) (薬師丸ひろ子)

Side B
1. シングル・アゲイン (竹内まりや)
2. 秋桜(山口百恵)
3. 愛はかげろう (雅夢)
4. 『いちご白書』をもう一度 (バンバン)
5. いい日旅立ち (山口百恵)

2021年1月3日

中森明菜:歌姫 -Stereo Sound Selection-

アナログレコード 
33回転 180g 重量盤 
発売日:2020年12月21日
※ステレオサウンド社独占販売品

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