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イエロー・マジック・オーケストラ
UC (Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra)


国内盤、ソニーミュージック
SACD専用ディスク2枚組

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2枚入る17ミリ厚のプラケース。ブックレットには、坂本龍一による解説が全曲につく。どれもフランクで、本人ならではの面白い解説です。

坂本龍一による選曲、監修のYMOベスト盤

 このSACDは、YMOの2枚組のベスト盤。
 それまでにもベスト盤はありましたが、これは坂本龍一による選曲・監修、テッド・ジャンセン(Sterling Soundのマスタリング・エンジニア、グレッグ・カルビも所属)によるリマスタリング。SACD専用ディスクで発売されました(CDは別途発売)。
 YMOは、いわゆる〈テクノ〉というイメージの初期ヒット「テクノポリス」「雷電(ライディーン)」などでとらえがちでしたが、聴いていくと初期、中期、後期でだいぶ音楽が変わるのを発見します。「君に、胸キュン」など歌謡性のある曲も収録。
 あらためてこのベスト盤を聴くと、YMOが、そうとうにトンがったアレンジ、演奏をしていたのがわかります。今聴いても、これほど刺激的なバンドは日本にないと思います。

弾力と解像度。SACDでハイファイYMO

 「SACDでYMOを聴いてもどうよ? あのシンセ♪が高音質になるのかい?」
 とお思いのアナタ、ぜひこのSACDを聴いてみてください。かなり凄い音にビックリすると思います。
 まずはリズムをキープするバスドラ系の、弾力のある(これがミソ)重低音。ドスドス飛び出してきて、ボディーブロウをあびせます(そのパンチも通常の倍くらいの大きさ)。
 その上に乗るいろいろな音は、分離がよく解像度も高い。こちらもゴムまりのような弾力性のある音で厚みがある。
 かと思えば、レースのように微細な音も重ねられていたりと、「重」と「軽」の“豪快な”ハーモニー。シンセサイザーの音色も豊かです。(同時に凝ったアレンジにも改めて感心)。あの頃、ラジカセで聴いていた〈テクノ〉の薄っぺらい(失礼!)イメージはみじんもありません。
 SACDで聴くYMOはハイファイであります。オーディオ的にはパンク。リマスタリングの素晴らしさがSACDで堪能できると思います。

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2010.4.29