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LP シャンタル・シャンベラン
TEMPTATION

TEMPTATION (LP)

Chantal Chamberland
Evosound(Evolution music)
発売日:2019年

LPレコード
SACDハイブリッド
MQA-CD

2021年9月13日 文・杉田ヨシオ

カナダのシンガー、シャンタル・シャンベランのアルバム

オーディオ愛好家に人気のあるEvosoundからリリースされたシャンタル・シャンベラン(Chantal Chamberland)の通算7枚目アルバム『TEMPTATION』を取り上げる。

聴いたのはアナログ・レコードであるが、SACDハイブリッド、MQA-CDでもリリースされている。SACDとMQA-CDの曲数はアナログより多いようだ。


『TEMPTATION』のLPジャケット

ヴォーカルを聴いていいと思った

シャンタル・シャンベランはカナダのシンガーだ。ジャズ・シンガーと紹介されることもあれば、シンガー・ソングライターと紹介されることもあるようである。

いずれにしても、スモーキーなヴォーカルが最大の魅力だ。

このアルバムには自作のほかに、トム・ウェイツ、ビル・ウィザーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、マイケル・ジャクソン、ロドリゲス、シェール、U2、スノーパトロールなどの曲をカヴァーしているという。

あいにく筆者はオリジナルの曲は知らないのだが、単純にシャンタル・シャンベランのアルバムとして聴けた。そしてとても楽しめた。彼女のムードのあるヴォーカルだけで満足なのだ。

アルバムのジャケット裏にはシャンタル・シャンベランがエレクトリック・ギターをかかえた写真が載っているが、演奏はエレクトリックな要素はそんなに入っていないと思う。アコースティックを中心にし、音数の少ない、余白のある演奏である。Evosoundらしくオーディオ・ファイルが好むような音に仕上げてある。


ジャケットの裏。シャンタル・シャンベランの写真。

秋の夜長に聴きたいヴォーカル・アルバム

そして彼女のヴォーカルだが、先に“スモーキー”と紹介したものの、このアルバムでは個人的に、そんなにコテコテのスモーキーとも思わなかった。“落ち着いた大人のヴォーカル”といった感じだ。そのあたりアルバムによって違うかもしれないが。

もちろんCCRもカヴァーした「アイ・プット・スペル・オン・ユー」などはシブくまとめているが、アルバムは多くのポピュラー・ファンに楽しめる内容だ。筆者もそこが気に入ってここに取り上げた。

筆者はボサ・ノヴァ調の「Love Never Felt So Good」や、バラードの「Believe」「I Wanna Dance With Somebody」などが気に入った。秋の夜長にしっとりと流してみたい。

アナログ・レコードの音はヌケのいい空間だ。中域から低域にかけて豊かな音。「これなら高域も澄んだ音だろう」と思ったところシンバルなどが鳴ってみると、やはりそのとおりだった。現代のアナログ・レコードの音の良さを感じさせる。

最初に書いた通り、SACDハイブリッドとMQA-CDでもリリースされている。読者もご自身のシステムで鳴らしてはいかがか。

A面

  1. Temptation
  2. Beautiful Life
  3. Love Never Felt So Good
  4. Miss Sarajevo
  5. Chasing Cars

B面

  1. I Put A Spell On You
  2. Belive
  3. Ain't No Sunshine / I Can't Stand The Rain
  4. I Wanna Dance With Somebody
  5. I Want A Little Sugar In My Bowl

TEMPTATION (LP)

Chantal Chamberland
Evosound(Evolution music)
発売日:2019年

LPレコード
SACDハイブリッド
MQA-CD