
PATRICIA BARBER
MODERN COOL
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輸入盤
音源
・5.1 DTS HD Master Audio 24/96 kHz
・2.0 LPCM 24/192 kHz
パッケージ
映画用のブルーのプラケース。
ブックレット
ブックレットには全曲の歌詞、白黒写真が少々。
サラウンド製作のジム・アンダーソンのサラウンドに関するライナーノート。
収録曲
パトリシア・バーバーの、前衛的なオリジナル曲のほか、ザ・ドアーズの「ハートに火をつけて」、ポール・アンカの「シーズ・ア・レイディ」も歌っている。
操作
再生中の画面は固定。トラックと音源を選べる表示が常時でている。
曲の途中でも、5.1サラウンドと2chを切り替えられる(そのさい、数秒音がとぎれるが)。
テレビ画面を映さなくても、赤ボタンと黄ボタンで音源を選べる。
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グラミー賞「ベスト・サラウンド・サウンド・アルバム」
本作は、パトリシア・バーバーの1998年のアルバムを、オリジナル・エンジニアであるジム・アンダーソンがサラウンド化し、Blu-rayオーディオでリリースされたものです。
本作は2013年の第55回グラミー賞で「ベスト・サラウンド・サウンド・アルバム」を受賞しました。
サラウンド音源は「5.1 DTS HD Master Audio 24/96 kHz」と文句なし。
さらに2chも「LPCM 24/192 kHz」と驚異のスペックで、2chファンにも楽しめる内容です。
ジャズの枠にとらわれないパトリシア・バーバーの音楽
音のレビューのまえに、一言あやまらなければ、いけません。
どこかでパトリシア・バーバーを「ダイアナ・クラールのようなシンガー&ピアニスト」と書いたことがあるのですが、大間違いでした。
彼女の音楽は、ジャズの枠にとらわれません。
その立ち位置は、実験的精神にあふれたジョニ・ミッチェルに通じるものがあります。
音場の豊かさ、残響のスムーズさが特筆のサラウンド
そんなパトリシア・バーバーの音楽ですから、サラウンドが非常に栄えます。
冒頭の「Touch of Trash」から驚き。
ジャジーなシンバルの、「シュワァァン…」と、湧き出ては消えていく音が、四方八方であらわれます。それは「音に囲まれる」というより、「音が部屋に存在する」というサラウンド。
これを聴いただけで、本作がグラミー賞の「ベスト・サラウンド・サウンド」を受賞したのもうなずけます。
基本はピアノ、ドラム、ベース、ギター、トランペットという、ジャズの編成ながら、まるでプログレと同等のスリルに感じました。
もちろん曲によっては、オーソドックスな2chぽいサラウンドもあるのですが、音場の豊かさ、残響のスムーズさに、サラウンドは「音に囲まれる」というのは二次的で、真の効果は「音を豊かにするものだ」とも、感心するのでした。
ラストの「Let it Rain- Vamp」の、コーラスに囲まれる空間は絶品でしょう。高スペックの音質自体の素晴らしさは、言わずもがなです。
2chステレオはサラウンドのように延びる音
2chステレオはさらに「24/192 kHz 」という驚異のスペックです。
スムーズにのびる音は、まるで「前方を広げるためのサラウンド」を聴いているかのように感じます。
もちろん後方に音はないのですが、2ch再生で、これだけ伸びやかなのも珍しい。高音質の名に恥じない再生音だと思いました。
テレビ画面を映さなくても操作できる、親切設計のボタン
本作は、これまでもあったBlu-rayオーディオのなかでも一番の操作性です。テレビ画面を映さなくても、リモコンだけで、音源をイッパツで選べる仕組みになっています。
ブルーレイのリモコンには標準で、青、赤、緑、黄、のボタンがあるのですが、赤ボタンで「5.1 DTS HD Master Audio 24/96 kHz」が選べ、黄ボタンで「LPCM 24/192 kHz」を選べるのです。今後のBlu-rayオーディオも、取り入れてほしいものです。
起動時は「5.1 DTS HD Master Audio 24/96 kHz」になっています。もちろん曲は数字ボタンで選べます。
Modern Cool [Blu-ray] [Import] (2012)
 2013.3.20
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