ロサンゼルスでも中島みゆきは中島みゆきであって
中島みゆきのSACD/CDハイブリッド盤である。ロサンゼルスのスタジオでライヴ。ライヴとはいえ観客はなく、中島みゆきの喋りもないライヴです。
中島みゆきがロサンゼルス?
バック・ミュージシャンもほとんど外人ばかり?
「これは!?」
と思ってSACDをスタートさせたが、1曲目「この空を飛べたら」の広大な前奏でどっと歌謡曲の世界に戻された。歌謡曲というか日本というか「中島みゆきの世界」というか。
世界中のどこで作っていようとコカコーラがアメリカの飲み物であるように、どこで演奏しようと中島みゆきは中島みゆきなのでしょう。
でもよく聴くと、バックはタイトな演奏でPOPS風である(サックスソロなど)。
それに外人のコーラス。
“外国産”の味は確かにある。それが日本的旋律のベタ付き加減をちょっと緩和してくれているような気もする。微妙ですけどね。
いずれにしても中島みゆきの歌、歌詞、ヴォーカルは、やっぱり日本人の心をくすぐる国産ブランドで、わたしなど聴いていると強烈な母性を感じてしまいます。
サラウンド感のあるマルチで夜会です
このディスクはマルチチャンネル収録である。
スタジオでは円形にミュージシャンが並んでいるのがブックレットの写真を見るとわかる。
しかし、マルチはそれを忠実に再現しているようではないようだ。写真では中島みゆきと対面するようにドラムがあるが、マルチではドラムもヴォーカルと同じ前方から、である。マルチはマルチとして聴きやすいようにミックスしてあるみたい。
アレンジにストリングスなど、のばした音(全音符)が多用されているので、サラウンド感はかなり出る。バックは左右にひろがり中島みゆきのヴォーカルが中央に位置する。
今夜も夜会だ。マルチでは膝枕しているみたいに、またきびしく怒られているみたいに、どっと甘えんぼになりそうなわたしです。
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2004.5.3
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