
THE BEATLES
LOVE
CD+DVDオーディオ
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輸入盤、CDとDVDオーディオの2枚セット。パッケージ、ブックレットとも見るべきところはありません。しかし音楽/音質/サラウンドは素晴らしいのです。
DVDオーディオを再生するには、ユニバーサルプレーヤーが必要。『LOVE』ために買ってもいい、と思わせるくらいです。
DVDオーディオには、ドルビーデジタル、DTSも収録されている。これは普通の映画を観るDVDプレーヤーで、5.1チャンネルが整備されていれば再生できる。DVDオーディオには劣るものの、サラウンドの雰囲気を知るにはいいかもしれない。
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ビートルズの曲をデジタル再創造
本作はビートルズの曲をあらたにミックスして作りあげた作品です。といっても普通の再ミックスではない。ある曲に、別の曲のギターソロを挿入する。ピアノパートを挿入する、等々、デジタルを駆使した再創造とも言える。
でも曲の調性を壊さない配慮はされているので、元々のオリジナル曲の雰囲気をそこなうことはありません(と筆者は考えるが)。制作したのはジョージ・マーチンの息子。もちろん仕上がりはポールとリンゴも認めた作品です。
本作は通常CDと、CD+DVDオーディオ2枚組の2種類が発売されましたが、SACDラボ読者に紹介するのは、もちろんCD+DVDオーディオの、DVDオーディオです。ユニバーサル・プレーヤーをお持ちの方はぜひ聴いてみてください。
ドドーッと堰を切るDVDオーディオの音
DVDオーディオで聴くビートルズの音は、びっくりするくらい太く、厚い。「これが、昔レコードで聴いていたビートルズか!?」とたまげます。
DVDオーディオの音の印象は、精緻なまでに磨き上げた音(まるで大理石のよう)が、ドドーと堰を切ったように流れ出る感じです。
ビートルズは『1』というリマスターCDも出ていますが、その比ではありません。CDとは聴き比べるまでもなく、圧倒的に音のきめ細やかさ、情報量が違うのがわかります。
後期の曲はもちろん、初期の「抱きしめたい」「ヘルプ」までも、厚い音で鳴り響いてくれるんですよ。
サラウンドこそが『ラヴ』の本当の姿
でも、なんといっても聴いてもらいたいのがDVDオーディオのサラウンドです。まさに“再創造”と言うにふさわしい出来で、『LOVE』はサラウンドでこそ本当の姿と言ってもいいくらいです。
全方向に音を配置したサウンドデザインが素晴らしい。「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラが上昇するところでは、自分がオーケストラの中にいるようになります(音もすごい)。「アイ・アム・ザ・ウォラス」の“ウヒヒ”“ホホホ”“アハハ!”の左/右/後ろから攻撃に狂気は倍加します。などなど他にも聴き所は一杯。
高音質と高サラウンド。それがビートルズ!とくれば、文句の付けようがありません。ポップスのサラウンドでは最高の作品でしょう。
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 2008.11.20
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