topaboutblogClassicjazzPopsjpopselect
S

ディープ・パープル LIVE on the BBC

DEEP PURPLE(MKII)
LIVE ON THE BBC

1972年3月9日、ロンドン、パリス・シネマでのBBC用ライヴ録音
Audio Fidelity

Amazon

海外で出た『メイド・イン・ジャパン』と同じデザインのジャケット。ちょっと安っぽいが、『メイド・イン・ジャパン』と同時期だからいいか。

CD層とSACDステレオ層の収録である。マルチチャンネルはない。SACD層ではアンコールの「ルシール」が入っているので、ボーナストラック2曲を入れて、89分の収録である。

そのボーナストラックは、第1期のメンバーによるヒット曲「ハッシュ」のスタジオ録音、ほか1曲で、録音年代もメンツもちがう曲が入っています。

連中、日本に来る前からこんな演奏をしていたノダ!

 本アルバムは、黄金の第2期ディープ・パープルが『ライヴ・イン・ジャパン』の5か月前におこなったライヴ。さっそく聴いてみました。

 BBC放送用なので、司会者のアナウンスから始まる。客は『ライヴ・イン・ジャパン』の大阪厚生年金会館や武道館と比べると、メチャメチャ少なそう。50人くらいか? なんとなくパブで盛り上っている客風だ(笑)。

 スタートは「ハイウェイ・スター」。『ライヴ・イン・ジャパン』と同じドライヴ感です。
「当時は『ライヴ・イン・ジャパン』のようなショウをあちこちでしていた」と、リッチー・ブラックモアが言っていたとおり、ここでの演奏もスゴイ。日本に来る前から、連中、こんな演奏していたんだなあ。
とはいっても熱気、演奏とも、やはり日本での演奏のほうが上。
つまるところ、『ライヴ・イン・ジャパン』とのちがいは、オーディエンスの“狂気”と“熱気”じゃないかな。「これをそのまま日本でやっちゃったら『ライヴ・イン・ジャパン』になっちゃった」というところか。

リラックスしている観客たち。このノリはいったい。

 少人数の前での演奏ということで、MCもリラックスしている。『マシン・ヘッド』を新しいLPとして紹介したり、客のあおりに合わせて、バンドがワルノリ演奏をしたり、と客との距離が、親密で近いのが感じられる。演奏中はすごいのだが、MCでは、どこか壮行会のようなノリです(笑)。
シメは「スモーク・オン・ザ・ウォーター」でキッチリ盛り上げて終わる。
アンコールはリトル・リチャードの「ルシール」だ(SACD層のみの収録)。ディープ・パープル風オールド・ロックンロールがカッコいい。

 音はリヴァーヴ処理などが少ないと思われ、わりと“素”の音が飛び出してきます(僕としては、ちょっと入れたほうが聴きやすいと思いましたが、人それぞれかも)。
SACDの音はかなりアナログ臭い音。分厚いディープ・パープルの音が堪能できます。
『ライヴ・イン・ジャパン』が「東の横綱」としたら、『LOVE on the BBC』は、観客の熱気を差し引いて「西の関脇」といったところかな。

2006.6.15