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デヴィッド・ボウイ
ジギー・スターダスト


David Bowie
Ziggy Stardust

Amazon

Hybrid Stereo/Multi-ch
EMI、輸入盤

角の丸いプラケース。ブックレットには、英語の歌詞と、当時のボウイの写真が何枚か掲載。なお、このアルバムの正式なタイトルは「The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars」です。

グラムロックの旗手、デヴィッド・ボウイの名作

 デヴィッド・ボウイの名作『ジギー・スターダスト』です。オリジナルは1972年の発売。
 70年代初頭のデヴィッド・ボウイは、グラムロックの旗手。80年代のしぶいデヴィッド・ボウイはまだ先の話。一般ロックファンは“キワモノ”と思っていたところもあったと思います(筆者がそう)。
 それでもTレックスとともに、グラムロックは大人気で、このアルバムにも収録されているシングル「スターマン」は大ヒット。筆者も「カッコイイ曲だ!」と認めていた。
 しかしアルバムまで聴いてみる気はおこらず(兄貴が買って家にあったのに)、70年代の懐かしい思い出ジャケットのひとつとして、しまい込まれていたのですが、SACDでリリースされているので聴いてみました。

ボウイの曲が素晴らしい。サラウンドもじっくりと

 聴いたのはマルチチャンネル。1曲目「Five Years」の冒頭、ドラムのリズム打ちが、リアからフェイドインしてきます。筆者の頭を通りこして前方に移動したところで、演奏開始。
 音はアナログ臭いサウンド、特にドラムに迫力と厚みがあります。
 アルバムタイトルから、宇宙的なサウンド(プログレ風)を想像される方も多いかもしれませんが、各曲はどれも、オーソドックスなバンドサウンドです。シンセもないと思います。あと生ギターやブラスが使用されます。生ギターの音はSACDならではのふくよかな音、倍音含み、で気持ちがいい。

 特筆すべきは、デヴィッド・ボウイの作になる11曲の素晴らしさ。容姿からイメージする“キワモノ”は、ここにはありません。当時のエルトン・ジョンのように“シンガー・ソングライター”としての才能を、まざまざと見せつけます。大ヒットシングル「スターマン」だけではなく、どの曲も不滅の輝きを持っています。『ジギー・スターダスト』がロック史に輝くアルバムなのが、やっとわかりました。

 SACDはオリジナルどおり「Rock'n' Roll Suicide」で終わります。ボーナストラックはありません。
 先に書いたように、冒頭の入りこそ、サラウンドを生かした音作りでしたが、実のところ、どの曲も派手な演出のサラウンドではなく、オリジナル2chの味を殺さないものでした。
 そう、このマルチチャンネルは、当時デヴィッド・ボウイと共にプロデュースを担当した、ケン・スコット自身による2003年のミックスなのです。やはり本人のミックスなら、聴く方も納得できます。

B0000AZAUM
Rise & Fall of Ziggy Stardust & Spiders From Mars

デヴィド・ボウイのSACD(アマゾンで入手できるもの)
Scary Monsters Let's Dance
Heathen Reality
Ziggy Stardust    
2009.5.16