
JONI MITCHELL
The Studio Album 1968 - 1979
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輸入盤 Warner Bros
CD10枚組
ブックレット等はなし。オリジナル・ジャケットに歌詞。一部はジェケット付属の歌詞カード付き。
収録アルバム
Song To A Seagall
「ジョニ・ミッチェル」。68年デビュー・アルバム。プロデュースはデイヴィッド・クロスビー。
Clouds「青春の光と影」。永遠の名曲「青春の光と影」を収録した2ndアルバム。(69年作品)
Ladies Of The Canyon「レディズ・オブ・ザ・キャニオン」。名曲「ウッドストック」「ビック・イエロー・タクシー」を収録。(70年作品)
Blue「ブルー」。
最高傑作の誉れ高い4作目。ジャケットも有名(71年作品)
For The Roses「バラにおくる」。
豊かな才能を、確かなヴォーカルとアーティスティックな詩に結実させた作品。不思議なアレンジなどあり。(72年作品)
Court And Spark「コート・アンド・スパーク」。ジョン・ゲラン、トム・スコット、ジョー・サンプルらを迎えて制作されたアルバム。ここらから明るい色調に(74年作品)
The Hissing Of Summer Lawns「夏草の誘い」。ジャズと前衛を目指して作り上げた画期的アルバム!(75年作品)
Hejira 「逃避行」。孤独と闘う激しい葛藤から生まれた衝撃作。ジャコ・パストリアスが部分的に参加。(76年作品)
Don Juan's Reckless Daughter「ドンファンのじゃじゃ馬娘」。ジャコ・パストリアスをフィーチャーし、ジョニの世界に新たな彩りが加わった作品。(77年作品)
Mingus「ミンガス」。 故チャールス・ミンガスへ捧げたベストセラー。当時話題になりました。(79年作品)
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ジョニ・ミッチェルの破格のCDBOXセット

外国のお菓子のようなパッケージ 本作はCDですが、ジョニ・ミッチェルの、1968年デビュー盤『Songs To A Seagall』から1979年の『Mingus』までの10枚のアルバムを収めたBOXセットです。
ジョニ・ミッチェルの音楽の変遷に合わせて、レビューしてみます。
弾き語りの時期
デビュー盤から、4作目『ブルー』あたりまでが、ギターかピアノでの弾き語りがメインです。CS&Nに影響を与えたような内省的な曲が並びます。
CDの音は、ヴォーカルと、アコースティック・ギター(またはピアノ)、それぞれがクッキリと浮き上がり、柔らかくもあります。ギターの倍音などもいい感じです。
実験的アレンジをへて、フュージョン・サウンドの導入 
オリジナル・ジャケットを模した紙ジャケット。日本製のような究極の完成度ではないが、それなりにカワイイ作り。
5作目『For The Roses』あたりで、リズム隊、管楽器などが加わります。
ジャズへの接近を見せ、続く6作目『Court And Spark』でフュージョン系サウンドの誕生。
7作目『The Hissing Of Summer Lawns』から10作目『Mingus』まで、ハービー・ハンコックやウェイン・ショーターらのジャズ・ミュージシャン、特にジャコ・パストリアスとの共演などで、フュージョン・サウンドを確立する流れになります。
この時期のアルバムは、アナログ録音全盛時代とあって、CDといえども、再生音は柔らかく仕上っております。
へたに状態の悪いSACDよりは、満足感を覚える音と言えます。 フルートやコーラスなどの重なる音がとても綺麗。ベースも奥深い音です。

CDは内側から取り出すタイプ。歌詞を読むには、シニア世代には、虫メガネやルーペが必要(笑)
オーディオに、最善をつくして聴く価値ありのCD
これらの10タイトルを聴くと、ジョニ・ミッチェルの音楽性には驚かざるおえないでしょう。音楽と自我が、これほど密接にかかわっているアーティストは、ほかに浮かびません。
実験性も多く、フュージョン期では、不思議なアレンジなどがいくつもあらわれます。
でもそのフュージョン・サウンドも、弾き語りでのギターやピアノと同じ役割で、彼女の姿勢はデビューから変っていないと思います。
これらの作品を前にすると、たとえCDでも、オーディオ・ファンとして敬意を払わずにはおれません。
最善をつくして再生したくなります。僕の場合、冬の今なら1時間近くアンプ、プレーヤーを暖めて再生しています。
そしてこのCDは、それに答えてくれます。先に書いたように、やわらかいサウンドで聴かせてくれますから。
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 2012.12.13
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