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ザ・フー
四重人格 Blu-ray Audio


The Who
Quadrophenia
5.1 Remix

Amazon

Blu-ray Audio
輸入盤
ユニバーサル
トータル81分

2014年ミックス
(24bit/96kHz)

・DTS-HD Master Audio 5.1
・Dolby True HD 5.1
・PCM Stereo

1973年ミックス
(24bit/96kHz)

・PCM Stereo

映像はなし。
再生中はブックレットの写真が順次映し出されていく。ここにはパターシー発電所が写る写真も出てくる。
ボーナストラックなし。

参考になる映画

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さらば青春の光 [Blu-ray]

1979年、『四重人格』をもとに作られた映画「さらば青春の光」は、このアルバムを理解するのに役にたちます。
アナログLPのブックレット写真集でストーリーが分かったようでも、やっぱり分からない。
スティングらが出演したこの「さらば青春の光」を観ると、逆にザ・フーのほうが1979年製作のこの映画をもとにアルバムを作ったのではないかと考えてしまうほど、『四重人格』の世界を、うまく映画化しています。

ザ・フー、1973年作のコンセプトアルバム

 ザ・フーの1973年作品『四重人格』の待望のBlu-ray Audioです。ピート・タウンゼンドのプロデュースによる5.1サラウンドを収録。もちろん2chのハイレゾも収録しています。
 加えて1973年のオリジナル・ステレオ・ミックスもハイレゾで収録。映像やボーナストラックはありませんが、逆にそのほうがうれしいものです。

オリジナルはLP2枚組のコンセプト・アルバム

 本作はモッズ少年のことを描いたコンセプト・アルバム。
 オリジナルLPは2枚組で、豪華な写真集がまるで小説のように、コンセプトを視覚化していました。
 Blu-ray Audioでもブックレット(下写真)を帯状に収録していますが、全部ではなく、有名なパターシー発電所が写る写真などが見当たりません。また歌詞もついていません。


LPでは豪華な白黒写真集でしたが、さすがにその趣きはありません。 パッケージ裏の、こちらを向く主人公写真は今回初めて見ました。

聴きこなすのが難しかった2chの『四重人格』

 白状すると『四重人格』は、聴きたい意思があるのに、聴きこなすのに難しいアルバムでした。
 LPでは4面、トータル81分を持たせるには起伏が薄いというか、曲のカラーが似ているのです。

 それでも随所にあらわれる海や雨の効果音や、「Cut My Hair」の美しい旋律などをたよりに聴き続けてきたわけですが、今回のサラウンド化で、ストレスなしに『四重人格』を聴けるのではないかと期待を寄せたのでした。

サラウンドなら聴き通せる『四重人格』

 果たして、Blu-ray Audioのサラウンドは正解でした。
 冒頭の「I Am The Sea」、波の音がリスニング・ルームに広がるや、「これだよ!」と思いました。遠い彼方からの歌声は、4つのスピーカーを移動します。

 「The Real Me」で本格的に演奏開始。ザ・フーは前方に、2chにくらべ奥行きのある空間で唸ります。ピアノは左リア。
 他にブラスやシンセ音などが、リアか全体に広がります。
「Helpless Dancer」は、2chでは左右交互だった歌声も、サラウンドでは4つのスピーカー+センターで。

 ザ・フーのバンド演奏はプログレ・バンドほどカラフルではないので、興奮するようなサラウンドではないものの、全体を通じて、キッチリと、聴かせどころをサラウンドで処理しています。
 その証拠に、アナログLPでは1回として聴き通せなかった81分を、このBlu-ray Audioのサラウンドでは、もう4回ほど聴いております。

 『四重人格』は中盤以降やクライマックスが冗長としているので、サラウンドではそれも聴きやすくしてくれていると思いました。このBlu-ray Audioでようやく『四重人格』が愛聴盤に恥じないものになりました。

B00JPUUPLA
Quadrophenia: 5.1 Remix

2014.11.3