SACD REVIEW

Stereo Sound REFERENCE RECORD 石川さゆり

cover

Stereo Sound REFERENCE RECORD 石川さゆり

CD/SACDハイブリッド

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

発売日:2024年6月6日

ステレオサウンド・ストア

2024年6月23日

石川さゆりの歌唱力が伝わるオリジナルマスターからのSACD化

ステレオサウンド(Stereo Sound)が石川さゆりのSACDハイブリッドをリリースした。

これは石川さゆりのレコーディング・エンジニアとして関わった内沼映二氏(ミキサーズラボ)が、このSACDのために選曲・構成したアルバムだ。オーディオ的にも手応えのあった録音が厳選されているという。

楽曲は演歌からジャズ、ポップスまで広く選曲されている。内沼氏が選曲を悩みに悩んだだけあって、どの曲も石川さゆりの魅力を伝える。

全曲は内沼氏自身によりリマスタリングされている。リマスタリングにあたって、内沼氏はフラットトランスファーを基本方針とした、という。

ブックレットには内沼氏が曲ごとに聴きどころ、コメントを寄せているのでリスニングの参考になることだろう。


片面に3曲なので余裕のカッティング、盤面を見ただけでも聴いてみたくなるレコード

さまざまなタイプの曲で石川さゆりの歌を聴く

最初に述べると、収録された曲は基本的に同時録音、つまり一発録りなのだそうだ。石川さゆりと演奏者たちの緊張感が伝わってきそうである。

「夢の浮橋」「転がる石」はいわゆる石川さゆりらしい演歌、流行歌タイプの曲だと思う。最初は演歌のメロディ、節回しの方に耳を奪われるが、耳をかたむければオーディオ的な空間に心が向かう。そう気づかせてくれる音作りなのだ。

楽器が多くても窮屈ではない。音の隙間が適度にほどけた空間は伸びやかである。そこに石川さゆりのヴォーカルが立体的に、そしてふくよかに浮き上がる。

そのあとアルバムはジャンルを超えた楽曲が並ぶ。オーディオ的な空間の感じやすさという点では、ここからが特にわかりやすいと思う。

「さのさ」は俗曲と呼ばれる曲だが、三味線にピアノとベースが加わりグッとモダンに。アルバム中最もオーディオ・リファレンスとして最適、と内沼氏もコメントを寄せている。確かに抜けのいい空間だ。

ポップス路線の楽曲も登場する。「木遣りくずし」は太鼓、和楽器とビッグバンドのサウンドが素晴らしい。それにしても太鼓の音を聴くと心がうずくのはやはりオーディオマニアなのだろう。

「再会」は加藤登紀子の作詞作曲によるフォーク風の曲で、個人的には一番気に入った曲だ。ストリングスをバックに石川さゆりがしっとりと歌う。

「いつか微笑むとき」は東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦の作詞、NARGOの作曲で、ボサノヴァの曲調は実にムードがある。

ここらあたりになると石川さゆりは演歌歌手というよりも、個人的には太田裕美のような、温かみのあるメロディを歌う歌手に感じた。

他にもアコースティックギターによる「山査子」、オーケストラでの「残雪」とバラエティに富んだ曲が並ぶ。「花火」は山崎ハコの作詞作曲。これもギターの伴奏が印象的。70年代フォークのような哀愁を帯びた曲。

聴けば聴くほどに石川さゆりの実力が伝わるSACDと感じた。


レコードが3枚なのでジャケットは三つ折り。
  • 収録曲
  • 01 夢の浮橋 作詞:吉岡 治 作曲:弦 哲也 編曲:若草 恵
  • 02 転がる石 作詞:阿久 悠 作曲:杉本眞人 編曲:川村栄二
  • 03 朝花 作詞・作曲:樋口了一 編曲:森 俊之
  • 04 雪幻花(ゆきのはな) 作詞:吉岡 治 作曲:弦 哲也 編曲:南郷達也
  • 05 さのさ 作詞・作曲:作者不詳 編曲:三宅一徳
  • 06 木遣りくずし 作詞・作曲:作者不詳 編曲:三宅一徳
  • 07 酒供養 ~縁歌バージョン~ 作詞:吉岡治 作曲:杉本眞人 編曲:若草 恵
  • 08 再会 作詞・作曲:加藤登紀子 編曲:若草 恵
  • 09 いつか微笑むとき 作詞:谷中 敦 作曲:NARGO 編曲:村田陽一
  • 10 山査子 作詞・作曲:岸田 繁 編曲:田代耕一郎
  • 11 残雪 作詞・作曲:加藤登紀子 編曲:斎藤ネコ
  • 12 花火 作詞・作曲:山崎ハコ 編曲:安田裕美
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Stereo Sound REFERENCE RECORD 石川さゆり

CD/SACDハイブリッド

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

発売日:2024年6月6日

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