中森明菜:オールタイム・ベスト -オリジナル- Stereo Sound Selection Vol.5
中森明菜:オールタイム・ベスト -オリジナル-
Stereo Sound Selection Vol.5
アナログレコード
33 1/3回転 180g 重量盤
発売日:2022年7月13日
※ステレオサウンド社独占販売品
文・牧野良幸 2022年8月9日
ステレオサウンドの中森明菜LPレコード第5弾
中森明菜『歌姫』シリーズのアナログレコードが好評のステレオサウンド(Stereo Sound)が第5弾を7月に発売した。今回はそれまでのカヴァー集と趣を変えて、1993年以降のオリジナルを収録している。
収録曲はCDでしか聴けなかった曲だけに、初のアナログレコードで聴けるのが嬉しい。
LPレコードの制作は、これまでもステレオサウンドのLPレコードを手がけている「PICCOLO AUDIO WORKS」を主宰する松下真也エンジニア。33回転180グラム重量盤。全8曲収録。
ここに収録された曲は、アイドルから実力派シンガーになった中森明菜の曲だ。同時に『歌姫』シリーズで高い評価を得た後の曲である。
A面はしっとりとした「Days」で開始。アコースティックな風味と明菜のヴォーカルがいい。
続く「月華」は中近東風のサウンド。デジタル楽器も使用されていると思うが、LPレコードでは微粒子のアナログサウンドという音質である。エキゾチックなアレンジは明菜ファンにはおなじみだろう。ちなみにB面にも「落花流水」というインド風の曲が収録されている。
「APPETITE」でもビートは打ち込みのようである。こういう音は、CDだとちょっとキツイかもしれないが、アナログレコードなら音の分離感に楽しみを見いだして聴いてもいい。不思議なのは、たとえ自分とは世代が違うアレンジでも、聴いているうちに明菜のヴォーカルが好きになってしまうところである。やはり稀有なシンガーだ。
ロック、打ち込み、最後はしっとりとした「SWEET RAIN」。ジャケットも秀逸
B面に移って1曲目の「I hope so」はロック的なアレンジである。昔ながらのロックバンドの伸びやかな音。こういう音はアナログレコードの得意とするところだろう。
最後の「SWEET RAIN」はゆったりと余白のある空間で、オーディオファイルとしては文句なく楽しめるトラックだ。明菜のヴォーカルも“タフな明菜”ではなく、“優しい明菜”の歌い方である。ストリングスも加わりエンディングにピッタリの曲だ。レコードでは再内周の曲であるが、ひずみもなくクリアな音は松下エンジニアの仕事の素晴らしさだと思う。
最後にLPのジャケットにも触れておこう。もとは『オールタイム・ベスト ‐オリジナル‐』通常盤CDのジャケットかと思う。本LPレコードの選曲が、このアルバムから選ばれていることとも関連しての採用だろう。
しかし同じジャケットデザインでも、CDとLPでは雲泥の差がある。30センチ四方のアナロレコードのグジャケットはまた格別である。明菜ファンならジャケットだけでも買いではないだろうか。タイトル部分に「Stereo Sound Selection- Vol.5」と入っているからオリジナル感もバッチリだ。
さらにレコード盤のレーベルにもイラストがあしらわれていてそれも楽しい。写真ではA面を載せたがB面では色処理が違うところも凝っている。
Side A
- Days
- 月華
- APPETITE
- 帰省~Never Forget~(2007 Ver.)
Side B
- I hope so
- 落花流水
- 花よ踊れ
- SWEET RAIN
中森明菜:オールタイム・ベスト -オリジナル-
Stereo Sound Selection Vol.5
アナログレコード
33 1/3回転 180g 重量盤
発売日:2022年7月13日
※ステレオサウンド社独占販売品