REVIEW

安全地帯 40th ANNIVERSARY CONCERT
“Just Keep Going!” Tokyo Garden Theater
(LPレコード)

cover

安全地帯 40th ANNIVERSARY CONCERT
“Just Keep Going!” Tokyo Garden Theater

LPレコード・3枚組 33 1/3回転 180g重量盤

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

発売日:2024年2月21日

ステレオサウンド・ストア

文・杉田ヨシオ 2024年3月10日

安全地帯40周年記念コンサート 千秋楽公演をステレオサウンドがアナログレコード化

ステレオサウンド(Stereo Sound)が安全地帯の40周年記念コンサートをアナログレコード3枚組で発売した。

安全地帯の40周年記念コンサート「40th ANNIVERSARY CONCERT "just Keep going!"」は、2022年11月に東京・湾岸エリア”有明”の東京ガーデンシアターで開催されたが、本作はその4日間のアクトのうち、最終日の11月30日に行われた千秋楽公演が収録されている。

33回転LPレコード3枚組。全18曲。各面の収録は3曲とぜいたくなカッティングだ。


レコードが3枚なのでジャケットは三つ折り。

アナログのハーフインチ・マスターからダイレクトカッティング

ステレオサウンドによるアナログレコードの制作は今回もこだわる。安全地帯のファンにもオーディオファンにも極上のレコードだと思う。

そのコダワリを簡単に書いてみると、

  1. ライヴ録音された48kHz/24bitのマルチトラック・デジタル音源を、レコーディング&ミキシングエンジニアの高松明治氏が、アナログレコードのために特別にフルリミックス。レコードA面〜F面の6面分の音源を制作。
  2. エンジニア松下真也氏(「ピッコロ・オーディオ・ワークス」)が、デジタルマスターをアナログ・テープレコーダー(独テレフンケン製)を使用しハーフインチのアナログテープに録音。
  3. ラッカー盤は1949年製スカリーのカッティングレースでハーフインチ・アナログテープから「ダイレクトカッティング」。

以上、非常にざっくりと書いたが、アナログファンなら読んだだけで聴いてみたくなるレコードではないか。

他にも工程や周辺機材、チューニングなどにさまざまなこだわりがある。詳しくはレコードに付属する三浦孝仁氏のライナーをご覧いただきたい。詳しく書かれている。


片面に3曲なので余裕のカッティング、盤面を見ただけでも聴いてみたくなるレコード

ライヴの広がりと個々の音の良さが同居した高音質

針を落としてみる。

オープンニングは幻想的である。ピンク・フロイド『狂気』のように、心臓の音のような鼓動の上にシンセサイザーの音がかぶさる。そこに観客の拍手。

幻想的なオープニングのあと「あの頃へ」。安全地帯の世界が始まった。玉置浩二のヴォーカルがくっきりと浮かび上がり定位する。温かみのあるヴォーカルだ。

音場はライヴの雰囲気を伝える響きである。空間が広がり、残響も綺麗だ。ダブル・ドラムなど、ステージの雰囲気もわかる。

その一方でバンドの音は存在感があり、個々の音の立ち上がりや粒だちに不満はない。

ライヴの空間ながら各楽器の音も充実している。この豊かな空間がアナログレコードで再生されるのだから、やはり「アナログ恐るべし」である。そう言わしめるのもレコードの制作に関わった人の熱意があればこそであるが。

オルトフォンのカートリッジで再生したが、余裕を持ったカッティングのせいもあり、音質はレコードの内周でもクリア。

片面が3曲というのは音質以外でも気に入った。

リスニングをする時に気が楽なのである。針を落としてから片面が終わるまでが手頃な時間。結果、次々と聴いてしまうことになる。ターンテーブルの上でレコード盤をひっくり返すのが楽しい。

安全地帯の音楽、ライヴの熱気を、いい音で聴くことができる極上のレコードと言えるだろう。


最終面。コンサートの最後はさすが盛り上がり、3曲でも内周までフルに使ったカッティング。
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安全地帯 40th ANNIVERSARY CONCERT
“Just Keep Going!” Tokyo Garden Theater

LPレコード・3枚組 33 1/3回転 180g重量盤

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

発売日:2024年2月21日

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