REVIEW

オフコース 『I LOVE YOU』
(SACDハイブリッド/45回転LPレコード)

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オフコース 『I LOVE YOU』(SACDハイブリッド)

企画・販売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社

発売日:2023年8月23日

ステレオサウンド・ストア

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オフコース 『I LOVE YOU』(45回転LPレコード)

2枚組

企画・販売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社

発売日:2023年8月23日

ステレオサウンド・ストア

文・杉田ヨシオ 2023年9月1日

5人組オフコース最後の作品

ステレオサウンド(Stereo Sound)がオフコースの『I LOVE YOU』をSACDハイブリッド、および45回転アナログレコードで発売した。

『I LOVE YOU』は『We are』『over』につづくステレオサウンドからのオフコース第3弾。1982年オリジナル・マスターテープ全曲使用による制作だ。

これでオフコースが最も人気のあった時期のアルバムがそろったことになる。『I LOVE YOU』を最後に創立メンバーの鈴木康博がグループを脱退。5人編成では最後となったアルバムだ。

一口にオフコースといっても、曲の作者によって曲調が随分と異なる。ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーのように。小田和正と鈴木康博でもだいぶ違う。そこがまたアルバムを聴く楽しみであることは間違いない。

このアルバムでもシングルになった小田和正の「YES-YES-YES」「I LOVE YOU」ではストイックさと優しさが溶け合い味わいがある。一方鈴木康博の「愛のゆくえ」はファルセット・ヴォイスのところなどまるでビー・ジーズのようである。


SACDハイブリッドのディスクはグリーン

一方サウンドに関しては、全曲の編曲がオフコース名義。これは統一感がある。

ミキシングも『We are』『over』と同じビル・シュネーで、ガッツリとしたサウンド。日本の湿気を感じさせない、洋楽のサウンドと言ってもいい出来で、音圧と繊細さが共存するハイファイである。これこそSACDや45回転LPレコードで聴くにふさわしい。アコースティック・ギターの曲も入っているから、そこも抜かりなしである。

アンプのボリュームはイントロやヴォーカルの音量で調節することなかれ、ベース、バスドラ、スネアの充実度が圧倒的だからヴォーリュームもそれに合わせて聴いた。そこにギターやコーラス、ストリングスなどが絶妙のミックスで重なる。

SACDハイブリッドと45回転LPレコード、どちらもエネルギー感のある押し出しのいい音でオーディオの喜びが味わえる。

SACDに比べてアナログ・レコードは音の表面、皮一枚がまろやかかもしれない。これは筆者がMM型SHUREのカートリッジを使用したせいかもしれないので、どうぞご自慢のカートリッジで再生していただきたい。

アナログ・レコードは内周をもろともせず、力強くクリアな音をキープする。45回転LPレコードの真骨頂を味わえるレコードだ。45回転LP独特の33回転と違う音のスムーズさ、エネルギー感は言葉では言い尽くせぬところがあるので、体験してもらうしかないと思うのだが。

それにしても『I LOVE YOU』を聴いて、オフコースっていいバンドだったんだなあと、つくづく感じた。80年代シティポップが世界的に人気というけれど、このアルバムも世界に誇れると思う。


45回転だから片面に2曲か3曲。それがたまらない。
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オフコース 『I LOVE YOU』(SACDハイブリッド)

企画・販売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社

発売日:2023年8月23日

ステレオサウンド・ストア

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オフコース 『I LOVE YOU』(45回転LPレコード)

2枚組

企画・販売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ユニバーサル ミュージック合同会社

発売日:2023年8月23日

ステレオサウンド・ストア

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