
Britten's Orchestra
Michael Stern

録音2009年
輸入盤、Reference Recordings
Amazon ¥1,852
2010年第53回グラミー賞〈ベスト・サラウンド・サウンド・アルバム〉受賞
角の丸いプラケースにブックレット。ブックレットにはブリテンの曲解説、演奏者解説。カラーイメージ写真。
|
高音質レーベル、リファレンス・レコーディングスのSACD
本作はキース・ジョンソン博士がエンジニアを務める高音質レーベル“リファレンス・レコーディングス”のSACDです。同タイトルは、176.4kHz/24bitのWAVデータを収録したDVD-Rもリリースされています(ページ下)。
収録曲はブリテンの代表作「青少年のための管弦楽(セリフなしのヴァージョン)」「シンフォニア・ダ・レクイエム」「ピーター・グライム〜4つの海の間奏曲とパッサカリア」。
2010年グラミー賞〈ベスト・サラウンド・アルバム〉受賞のサラウンド
2chステレオを聴く前に、マルチチャンネルで、第53回グラミー賞を受賞したサラウンドを聴いてみました。
音は繊細で透明。無菌状態のようなクリアさ。いかにも高音質をウリにしている音です。
サラウンドは透明感のある空間。普通のクラシックSACDのサラウンドと比べて、純度が高く感じました。アンビエント音のような透明性です。
通常のクラシックのサラウンドにしては、やや広がりがありすぎるような気がしないでもありません。曲によって左右にかなり広がります。
でもこういうホールかもしれないし、「ホールのように」とこだわるあまりの圧迫感のあるサラウンドよりは、広々として透明感のあるサラウンドに、オーディオ・ファイルとしては「こういう音が好き!」と満足でした。
「シンフォニア・ダ・レクイエム」は普遍的な管弦楽曲
2曲目の「シンフォニック・ダ・レクイエム」は、1940年に皇紀2600年奉祝曲として日本政府から委託されて作曲された曲。
〈レクイエム〉という言葉から日本政府に採用されなかったらしいですが、当時26歳のブリテンとは思えぬ良い曲です。確かに〈レクイエム〉という言葉は必要ないくらい、「メランコリーも、明るさもあり、リズミックな」管弦楽曲として、とても楽しめました。プロコフィエフやラヴェルあたりを想起させる管弦楽曲です。
冒頭のティンパニの強打音は、オーディオ的に「ド迫力」。胸にドスンとくるのでご注意を。
「4つの海の間奏曲とパッサカリア」
歌劇『ピーター・グライムス』からのこの管弦楽曲では、「パッサカリア」が一番の聴きものでしょう。
ダイナミックレンジが壮絶です。ボレロ風リズムにのって、pppからfffまで、かなりの音の幅があります。
2chステレオもマルチに負けていません
最後に2chステレオのことを書くのは、わけがあります。
いつもはマルチチャンネルで聴いたあと、2chステレオを聴くと「広がりと、立体感が物足りないなあ」と思うのですが、このディスクは違いました。
単に音質の良さだけチェックしようと思ったのですが、そのクリアな広がりにビックリ。2chステレオでも、ホレボレするような広がりで、「高音質って気持ちいいなあ」と思ってしまいました。
Amazon ¥1,852
リファレンス・レコーディングス
 2011.6.13
|
|