やっとR.シュトラウスの交響詩が好きになれました
シュターッカペレ・ドレスデンは、大変由緒あるオーケストラで、その昔、ワーグナーやR.シュトラウス自身とも関係が深かったそうです。90年代にはイタリアの指揮者ジュゼッペ:シノーポリが振っていました。
そのシノーポリと同じイタリア人、ファビオ・ルイージがシュターッカペレ・ドレスデンと、R.シュトラウスのシリーズを進めるているようです。ルイージという指揮者は初めてですので、正直あまり期待はしていなかったのですが、聴いたら大変いいのでここに載せた次第です。
そもそもR.シュトラウスの交響詩だけはピンこなかった自分ですが、この演奏の『英雄の生涯』はとても気に入りました。いつもは鼻についてしまうR.シュトラウスの上手すぎる?管弦楽法も、まったく気にならない。
「作曲家はこういうことを言いたかったのだな」と、好きになれる突破口が見つかった気がします。ルイージに感謝です。
なお、ここにおさめられている『英雄の生涯』はオリジナル・エンディング版で、最初に作曲家自身が書いたエンディングの手書き譜からおこしてあるそうです。独奏ヴァイオリンで静かに終わるエンディングは、結構いいような気がします。興味ある方は、聴き比べても面白いと思います。
オーディオ的にもよし、オーケストラの自然な広がり
マルチチャンネルで聴きましたが、ホントにすごい自然に、空気のように前方に広がるオーケストラ・サウンドで、最近のクラシック録音の“サラウンドを誇張しない自然さ”には目を見張るものがあります。
その分、オーケストラ内の配置がリアルになっているようで、家でのクラシック鑑賞も「ここまできたか、生きていてよかった」とふと思いました。
ほかにも、オーケストラ全体が休符になるところのホールに残る残響音、舞台裏からのトランペットの響きなど、マルチならではの聴きどころも多いので、ぜひ聴いてくださいませね。DSDレコーディングです。
Amazon
2007.11.8
|