ベルリオーズは「幻想」だけじゃない
これは好評の〈リビング・ステレオ〉シリーズの一枚。シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏です。
〈リビング・ステレオ〉シリーズを聴く時は、ちょっと高級なカートリッジを手に入れて、アナログ・レコードを再生しているような気持ちになりますね。
50年代、60年代の初期ステレオ録音なのですが、音はいいし、今の演奏家では感じない芸術家のコクみたいなものがあって好きです。
またSACDマルチチャンネルでは、センタースピーカーを使用し、オリジナルの3チャンネル録音もそのまま再生できて、オーディオ心をくすぐってくれます。
で、このベルリオーズ「イタリアのハロルド」ですが、なんでもベルリオーズの回想によれば、パガニーニの依頼によって、ヴィオラが活躍する曲を頼まれて作ったとか。交響曲のようでもあるし、ヴィオラ協奏曲のようでもある曲です。
聴くと確かに前半でヴィオラが大活躍します。マルチチャンネルでは、センタースピーカーをメインに割り当てられていてキモチイイです。
筆者は、ベルリオーズは幻想交響曲くらいのリスナーでしたが、「イタリアのハロルド」も同じくらい楽しめる曲だと思いました。
恥ずかしながら、幻想交響曲とあわせると、これでベルリオーズの音楽スタイルもぼんやり認識できた次第。時代を先取りした(または時代錯誤の?)スペクタクル感が聴いていて面白いです。
〈リビング・ステレオ〉シリーズは、オリジナルLP2枚が1枚のSACDに収録されているのも魅力です。このSACDにもメインの「イタリアのハロルド」のほかに、序曲が4つ入っております。その中でも「ローマの謝肉祭」は有名ですね。これも名曲です。
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 2008.1.16
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