小澤征爾が2002年〈ニューイヤー・コンサート〉を振ったライヴ
本作は2002年のウィーン・フィルハーモニー〈ニューイヤー・コンサート〉を、小澤征爾が指揮したライヴ録音。
シュトラウス・ファミリーの曲を演奏する〈ニューイヤー・コンサート〉は、元旦におこなう形式で始めたのが1941年。
それ以来、ボスコフスキー、カラヤン、アバド、クライバーなど、小澤の前には。歴史に名を残す10人の指揮者が登場しました。そして2002年、日本人として初めて小澤征爾が登場。この録音は当時、ベストセラーになりました。そのSACDハイブリッド盤です。
ムジーク・フェラインザールを思わせるサラウンド
このSACDのオーケストラの音は、各楽器がクリアで、解像度がある音というより、どちらかというとワンポイント・マイクで録ったかのような、オーケストラ全体が溶け合った音です。
オーディオ的というより、現実に近い音といいますか。オーケストラは一つの楽器のようで、ワルツでは一体となってリズムを刻んだり、ポルカでは、一体となって突進していく感じがします。
このSACDは、マルチチャンネルで聴くのが大好きです。サラウンドが、個人的にですが、どこか「長方形状のサラウンド」に感じます。そう、ムジーク・フェラインザールの客席で聴いているように感じてしまいます。
拍手の音は高解像度、ますます会場にいる雰囲気になれるマルチ
曲が終わるごとにおきる拍手も気に入っています。
この拍手は解像度バツグン。自分の近くと、真後ろの拍手は大きな手の拍手。前方のステージまで、遠近感をもって拍手がつらなる。
その拍手も、曲ごとに表情が違っているんですね。
たとえば左の方からバラパラと始まり、波打ちながら全体に広がるとか、または「悪魔の踊り」「チク・タク・ポルカ」などの息もつかせぬ演奏後には、ドッとわき上がるとか。
さきほどの長方形サラウンドとあわせて、臨場感がバツグン。ますます会場で、小澤征爾とウィーン・フィルの演奏に耳をこらしているような気分です。
もちろん、小澤征爾の指揮もすばらしい。ポルカでの緊張感、ワルツの優雅な運び。
実は、音を聴いているだけでは満足できません。指揮ぶりまでどうしても見たくなります。ということでDVD(下参照)も見たくなるんですよね。そんなSACDです。
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ニューイヤー・コンサート2002のDVD
 2010.11.29
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