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カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第1番-第3番

録音1967年

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 2004年暮れ、ユニバーサルから、昔の名盤が一挙50タイトルもSACD化された。グラモフォン、デッカ、フィリップスの懐かしいもの。これらは、ハノーヴァーのテープ倉庫に保管されていたアナログ・マスターからのマスタリングで日本独自企画だそうです。

澄みきった井戸の水のような音

 今では、バッハを聴くときはオリジナル楽器ばかりになってしまったが、時々、何かが物足りなくなるときがある。
 演奏のコクみたいなもの? または昔の演奏家魂? 精神性?
 よくわからないけど、とにかく昔のモダン楽器の演奏を聴いてみたくなるときが、よくあるのだ。カール・リヒターのバッハは、いつまでも手放せないバッハです。

 さっそく買って聴いてみた。
 音はすごくキレイです。今まで、昔のアナログのSACD化に限っては、「LPレコードのようなやわらかい音を再現してくれたらいいな」と思っていたのだが、「こりゃあ全然違うな」と思いなおしました。「マスターテープからやってきた音」という感じ。このSACDを聴いていると、LPレコードに対する郷愁も忘れてしまうほどです。

 人によってはキレイすぎる、と言うかもしれない。
 でもキレイといっても音はふくよか。キンキンと無機的な音のクリアさとは、また別物のキレイさです。水にたとえれば純度100パーセントに精選されている感じ。わたしは澄みきった井戸の水のような印象を受けました。
 もちろん1967年の録音ゆえ、弦など最新録音のきめ細やかさとはちがう。なので〈純度100パーセントで味わえる1967年のマスターサウンド〉となりましょう。

 みなさんご存知の名盤なので、演奏はもちろん、わたしの言うところではなく、ひたすら聴いて楽しんでいるのみです。曲良し、演奏良し、音よし、であります。
 リヒターはほかに「管弦楽組曲」もSACDになっている。こうなると、ファンならずとも「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」を期待してしまうだろう。変化球勝負で来日公演ライヴでもいいけど、とにかく出してくれることを、つよーく希望。それから現在の価格はちょっと高すぎると思う。新録音ではないのだから、価格はもう少し安く願いたい。

カール・リヒターのSACD
Amazonバッハ:ブランデンブルク協奏曲第1/2/3番
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2005.2.11