「火の鳥」の完全オリジナルバージョン世界初録音
NAXOSはリーズナブルなクラシックCDをリリースしている、お馴染のレーベルですが、SACDも出しております。これもその1枚で、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。
指揮者のロバート・クラフトは、生前のストラヴィンスキーのアシスタントをしていた人です。ストラヴィンスキーが60年代、コロンビアに残した自作自演の録音の一部でも、ストラヴィンスキーにかわって、クラフトが作曲者監修のもと指揮もしています。
ですので、ロバート・クラフトがフィルハーモニア管弦楽団を振ったこのSACDも興味深い演奏です。
ここに収録されている「火の鳥」は“完全オリジナルバージョン”による世界初録音だそうです。
1910年版の録音は珍しくありませんが、ここでは、2本のバルブレス・トランペットをオーケストラとは別に配置した完全オリジナルバージョン。
実際に聴いてみたところ、「このトランペットかなあ…」とは思うのですが、一度聴いただけでは、確認はむずかしかった。興味のある方は聴いてみてください。
「ペトリューシュカ」は、もう少し迫力があってもいいと思うが、これは他のレコードやCDの演奏に耳が慣らされているせい、かもしれない。
ストラヴィンスキーの曲の録音は、迫力満点にミキシングできるだろうから、時々どれを信じていいのかわからなくなる。このクラフトの演奏くらいが、案外、生で聴くバランスに近いのかもしれない。
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2008.4.16
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